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在宅介護に限界感じる 60代女性 |
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自宅で両親の介護をしていますが、少しずつ在宅介護に限界を感じてきています。どうしたらいいのでしょうか?


桐山 典悦 |
在宅介護は、自宅で安心して暮らせる半面、介護する家族の負担が大きく、限界を感じる場面も少なくないでしょう。「家で最期まで面倒を見たい」「住み慣れた自宅で過ごさせてあげたい」、そんな思いから在宅介護を選ぶご家庭は少なくありません。しかし、介護が長期化するなかで、心身の疲れが積み重なり、「もう限界かもしれない」と感じる瞬間が訪れることもあります。
そんなとき、まず考えてほしいのは「ひとりで頑張りすぎないこと」。介護は愛情だけでは続けられません。周囲のサポートが必要です。まずは、「担当のケアマネジャー」に今の状況を相談してみましょう。訪問介護・デイサービスの利用回数の見直しや、ショートステイで一時的に預かってもらうことで、介護の負担を軽減させることができます。
他には、介護保険では対応しきれない家事援助や外出付き添い、見守りサービスなどには、自分の都合に合わせて頼める「介護保険外サービス(自費介護サービス)」を取り入れるのも一つの方法です。サービス内容や時間帯を自由に選べるというメリットがあります。費用は自己負担ですが、必要なときにピンポイントで依頼できるため、在宅介護を続けるうえで大きな助けになります。
また、「地域包括支援センター」では、介護に関する総合的な相談を受け付けています。地域によってはボランティア支援が見つかるかもしれません。家族だけで抱え込まず、地域の支援を上手に活用することが、介護の継続には欠かせません。
それでも在宅での生活が難しい場合は、「施設介護」の選択を検討するのもよいでしょう。特別養護老人ホームや有料老人ホーム、グループホームなど、本人の状態や家族の状況に応じた施設があります。24時間体制で専門スタッフによるケアが受けられる環境は、本人にとっても家族にとっても安心です。
介護には「こうすべき」という正解はありません。大切なのは、介護する側にも、介護される側にも、できるだけ無理のない形を選ぶことです。ひとりで頑張りすぎず、必要なときには「助けて」と声を上げる。それが、介護を続けていくうえで大切なことです。
((株)クラウドケア取締役COO・介護福祉士 桐山典悦)
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