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自宅での介護を検討 60代女性 |
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自宅での介護を検討していますが、どのようなサービスを利用できるのでしょうか?


桐山 典悦 |
介護が必要な人が住み慣れた自宅で生活を続けながら、日常生活に必要な介護を受けることを「在宅介護」といいます。介護保険で利用できる在宅介護サービスには、「デイサービス」「訪問介護」「訪問看護」「訪問リハビリ」「ショートステイ」など多様な種類があります。
「デイサービス」は日中に施設へ通い、レクリエーションや機能訓練、入浴支援などを受けられるため、家族の負担軽減にも役立ちます。「訪問介護」では、ヘルパーが自宅を訪問し、食事・入浴・排せつなどの身体介護や掃除・洗濯・買い物といった生活援助を受けることができますが、一人暮らしか家族と同居なのかによって受けられるサービスが変わります。「訪問看護」は、看護師が自宅に訪問し健康管理や医療的ケアなどを行います。「訪問リハビリ」は理学療法士や作業療法士、言語聴覚士が自宅でリハビリテーションをしてくれます。「ショートステイ」では、短期間施設に宿泊し介護を受けることができます。
また、「福祉用具(介護ベッドのレンタルなど)」の活用や「住宅改修(手すりの設置や段差の解消など)」を行うことで、自宅での生活をより安全で快適にすることができます。
介護保険サービスでは補いきれない部分については、「自費の介護サービス(介護保険外サービス)」の利用を視野にいれることも重要です。例えば、介護保険の対象外となる外出付き添い、家事代行、夜間対応などのサービスが提供されます。必要な時間帯や内容を柔軟に選べるため、個々のニーズや生活に合ったオーダーメードの支援が可能です。
在宅介護のメリットとして、「住み慣れた自宅で過ごせる」「家族と生活できる」「さまざまなサービスを組み合わせて利用できる」が挙げられます。年齢とともに新しい環境に慣れることが大変になってきますので、住み慣れた自宅や地域で、家族と顔を合わせて生活できるのであればそれに越したことはありません。
デメリットとしては、「家族への負担が大きい」ことが一番に挙げられます。介護には休みがなく、突発的な問題が発生することもあり、身体的・精神的な負担が重なり、介護疲れにつながることもあります。
在宅介護は、多様なサービスをうまく組み合わせることで、介護が必要な人ができるだけ自立した生活を続けられるよう支える仕組みです。家族の負担を減らしながら質の高い介護を実現するためにも、ケアマネジャーと相談しながら適切なサービスを選ぶことが大切です。
((株)クラウドケア取締役COO・介護福祉士 桐山典悦)
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