定年退職者の技術やノウハウ 中小企業で発揮を
独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)は、企業の定年退職者や近く退職を予定している人(新現役と呼ぶ)の豊富な実務経験、専門知識、人材ネットワークを生かして、中小企業や団体を支援していく「新現役チャレンジ支援事業」を推進している。
「大企業から中小企業へ、大都会から地方へ、海外から国内へとシニアの優秀な人材で地域や中小企業・団体を活性化する事業です。全国レベルでの展開を図っており、企業と新現役を結びます」(新事業支援部新現役人材マッチング事業推進室・杉村均室長)とUターンでの取り組みも視野に入れての事業だ。
新現役の中小企業での活躍分野は経営企画・戦略立案、海外展開・国際化、情報化・IT活用、技術・製品開発、経理・財務管理、法律・特許など多岐にわたる。実際の事例ではISOを短期間で取得、製品化の早期実現、スムーズな海外展開などが実現した。
仕組みは、まず新現役が中小機構のホームページから「新現役データーベース」に経歴や技術・ノウハウを仮登録。一方、企業・団体も必要な支援内容などを登録する。その上で全国47カ所の地域事務局の専門家(ナビゲーター)が中小企業などの課題やニーズを発掘、その課題解決に適した新現役を選定する。双方の面談をセットし支援方法を相談することになる。
支援における報酬や頻度、期間などは直接双方の話し合いで決める。適切な支援者が見つからない場合は何度でも無料でナビゲーターがマッチングをするとしている。
「来年度は企業・団体など2万件、新現役3万人の登録を目指して、中小企業、地域の活性化を図っていきます」(杉村室長)と一層の拡充を目指している。
問い合わせは東京商工会議所/TEL03-3283-7478 http://www.smrj.go.jp/ |