|
施設入居を検討したい 横浜市/84歳女性 |
|
|
世の中も落ち着いてきた様子なので、そろそろ老人ホームの入居を検討したいと思っています。一人暮らしですが、今は自分のことは何でもできます。娘の家の近くで探したいと思いますが、何から始めたら良いでしょうか?
|
中村寿美子 |
80歳代は介護の曲がり角と思います。要介護になる原因はさまざまですが、体力が続かなくなる年齢ともいえるでしょう。まだ元気なうちに老人ホームを検討することは、実際に入居する・しないに関わらず、長い高齢期には必要なことだと思います。
あなたが老人ホームに求めていることは何でしょうか? 自分のことは何でもできるとのことですから、「自立型有料老人ホーム」が最適ですが、必ずしも娘さんの家の近くにあるとは限りません。
まず民間の有料老人ホームの基本を学びましょう。ホームの入居条件は「自立のみ」「自立・要支援・要介護」「要支援・要介護」「要介護のみ」とさまざまです。「自立のみ」のホームでは、普通のマンションのような間取りで24時間自由に暮らせて、入居後に介護が必要になった場合に同じ建物内で最期までお世話して看取(みと)りまで行うホームもあれば、介護が必要になると別の建物の介護型に移動するケースもあります。
一方、「自立・要支援・要介護」のホームとなると、介助・介護が必要なため居室の設備など「自立のみ」と同じというわけにはいきません。また設備だけでなく、職員教育の観点からも「自立」と「要介護」では大きく異なりますので、日々の暮らしに満足できるかどうか、疑問が残ります。
ホームの類型では「介護付」「住宅型」「サ高住」の中から選ぶことになりますが、将来、介護保険の利用を考えると、介護費用が介護度ごとに一定で安心できるのは特定施設に当たる「介護付」になります。以上の理由からあなたの場合、介護付有料老人ホームの自立型がお薦めです。これらのほかにも「高齢者住宅」など、賃貸住宅もあります。
そして、入居費用ですが、有料老人ホームは入居時の年齢によって費用が設定されています。一時金には償却年数が設定されていますから、退居時に未償却の分は返金されます。逆に償却が終了しても続けて入居が可能ですから、安心してホームで暮らせます。
入居の目的を明確にしてから、娘さんと見学するのが良いと思います。
(介護コンサルタント
中村寿美子) |
| |
|