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介護保険制度の変更 国立市/76歳女性 |
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私はまだ元気ですが、将来のことを考えてそろそろ介護保険制度のことを調べてみようと思っています。でも介護保険は5年ごとに法律が変わると聞きました。法律が変わるのでしたら、今現在のことを調べても無意味なのでしょうか。また、次の法改正ではどんなことが変更されそうなのか、分かれば教えてほしいです。
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中村寿美子 |
介護保険制度が始まって23年になります。5年ごとに法改正が行われ、3年ごとに保険料と報酬の見直しがあります。現在は約700万人が介護サービスを利用しています。次回に見直しが検討されているのは、自己負担の割合で、現在1割負担でも所得が220万円以上の人は2割負担になりそうです。
そもそも介護保険が始まったときは、利用者全員が1割負担でした。その後、2015年に所得が280万円以上では2割の負担になり、さらに18年には所得が340万円以上で3割負担が始まっています。そして、今回の介護保険料の見直しでは、高所得者の保険料をさらに上げて、低所得者の保険料を下げるということも検討されています。
05年の最初の法改正で地域密着型サービスが始まり、自治体によるサービスが生まれています。また、それまでは要支援1から要介護5まで6段階だった介護度が、要支援が1と2になり、7段階になっています。さらに15年の法改正で、地域支援事業の充実、医療・介護連携強化、介護予防・日常生活総合事業の推進が始まりました。分かりやすくいうと、「施設」から「在宅」へという方針です。
その後、21年8月からは、補足給付の見直しで、公的介護保険施設の利用料金が変わりました。公平性という観点から負担能力に応じた食費と居住費になりました。その結果、所得だけでなく預貯金や資産があると、食費は全額自己負担になります。介護保険制度が始まったころには、特別養護老人ホームへの申し込みが50万人を超えたという状況がありましたが、その後、申し込みが要介護3からと変更になり、補足給付の影響もあって、現在は特養への申し込みも半数程度になり、ユニットケア方式の個室では空室もある状態となっています。
今は元気でも、介護は突然に必要になることもありますから、事前に介護サービスの内容を把握しておくことは重要です。なお、今後は自治体によるサービスに差が出ることも考えられるので、介護に関することは地域包括支援センターに行って、最新の確かな情報を得ることをお勧めします。
(介護コンサルタント
中村寿美子) |
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