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友人の力になりたい 世田谷区/85歳男性 |
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学生時代からの友人は強靭(きょうじん)な体が自慢だった男なのですが、長年連れ添った妻が脳梗塞で突然他界し、あまりの衝撃で別人のようになってしまいました。何とか彼の力にと、施設を探してあげたいと思います。どうしたら良いですか?
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中村寿美子 |
人は、いずれは必ず亡くなるのですが、それがいつなのかが分からないため、多くの人は自分や配偶者の死を身近には考えられません。でも、80歳を過ぎたら一度はその覚悟をして、さまざまな心づもりをしておきたいですね。
さて、友人のお世話ですが、本人にどれだけの能力があるのかが分かりませんが、お子さんがいるのかいないのかで、今後の進め方が違ってきます。それは、どの施設においても「身元引受人」が必要になり、施設によっては血縁者と限定している場合もあるからです。お子さんがいない人は甥(おい)や姪(めい)がその役割を担うこともあります。また、本人の身体能力やスマホ・パソコンなどによるコミュニケーション能力はどの程度でしょうか? 80歳以上では個人差が大きいものです。
今までの事例からみると、お子さんがいる場合は、選ぶ施設はお子さんの自宅から近い立地が多いようです。そのあたりは当事者のことなので、たとえ友人であっても口をはさむことは遠慮した方が良いですね。友人から相談をもちかけられたときは、ゆっくり話を聞いてあげることが一番の親切だと思います。そして、そのときに大事なことは、自分の価値観を押し付けないことです。施設ではなくて、自宅で過ごすという選択肢もあるのですから。
人生の終末期の過ごし方は、できれば本人の希望をかなえてあげたいですね。そのためにはいろいろな選択肢があることや、諸費用など、必要なら資料などもあると、説得力が増します。将来、必要になると思われる介護サービスは、自治体によって多少の違いがあるので、あらかじめ、どんなサービスがあるのかを知っておくと、いざというときに慌てないで済みます。
(介護コンサルタント
中村寿美子) |
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