|
サービスの差、なぜ? 川崎市/87歳女性 |
|
|
昨年、入院したことから足が弱ってしまいました。家事や買い物に不便を感じるようになり、要支援2の認定を受けました。都内で暮らす学生時代の友人も要支援2なのですが、私よりたくさんのサービスを利用しています。同じ要支援2なのに、どうしてですか?
|
中村寿美子 |
要支援2の認定を受けて、地域包括支援センターで相談されたと思います。現在、要支援1と2の人は、区市町村が運営する「介護予防・日常生活支援総合事業」のサービスを受けることになります。住み慣れた地域で、地域の特性に応じたサービスを提供する「地域密着型サービス」もありますが、このサービスは要介護1以上の人向けのサービスです。
要支援1と2に対応する区市町村運営のサービスは、その自治体によってサービス利用に多少の違いが生じています。これは65歳以上の高齢者が介護サービスを利用する割合などによって、介護環境が異なることから起きている現象です。そして、希望するサービスであっても定員いっぱいで利用できない場合もあります。あるいは、生活環境や身体状況、持病があるかどうかなど、各個人の事情を判断された結果かもしれません。
自治体によって介護保険料が違うように、地域によってはサービスの在り方にも影響が出ているのです。介護保険の保険者は自治体ですが、小さな区市町村の場合は、2あるいは3の区市町村がグループになって広域連合として介護保険を運営しています。介護保険は5年ごとに法改正が行われていて、制度やサービス内容が変わるので、新しい情報収集を心掛けましょう。
来年の介護保険法改正に向けて、厚生労働省老健局では「総合事業の充実に向けた検討会」を始めています。介護サービスで疑問に思うことがあれば、いつでも近くの地域包括支援センターに出向いて、納得がいくまで説明を聞くようにしましょう。
(介護コンサルタント
中村寿美子) |
| |
|