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ホーム見学の注意点 神奈川県相模原市/77歳男性 |
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80歳になる妻の体力が減少していて、料理をするのも大変そうです。私たちには子どもがいないので、そろそろ有料老人ホーム入居を考えようかと思い、見学することにしました。そこで、ホーム見学では、何に注意すれば良いのでしょうか?
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中村寿美子 |
それはご心配でしょう。今後の長い老後生活を考えて、ホーム見学を実行されるのはお子さんのいないご夫婦には必要なことかもしれません。
ホームには一番に何を求めていますか? 広い部屋、最期のみとり、外出に便利なアクセスなど、求める内容によってホームの種類が分かれますし、費用にも大きな差が出てきますので、資金計画をしっかり立てましょう。
入居時に必要な金額に預貯金を当てるとして、今後毎月にかかる2人分の費用はかなりの額になることを覚悟しなければなりません。ホームへの支払いのほかに、医療費、交際費、交通費、将来の介護費、そのほかにも目にみえない費用もあります。
そして見学は少なくても3ホームは見たいですね。多くの人は建物を見ていますが、建物がお世話をしてくれるわけではありません。共用設備が広くて種類も多ければ、それだけ家賃が高額になります。
重要なことはホーム内のホスピタリティーや職員のコミュニケーション力です。さらに館内の動線や清潔度、居室内のエアコンの位置などが、日々の暮らしに影響してきます。洗濯機を自分の居室に置けるのかどうか、入浴のルールはどうなっているのかなど、質問事項を細かくメモしておくと比較ができます。
民間の有料老人ホームは、経営者の方針と理念がそのまま介護力にも及んでいますので、一言で言えば「見えないところを見る」ことです。さらに、ホーム周辺の環境も重要です。医療機関やレストラン、コンビニなどがあると暮らしに一段と充実感が出ます。また持病がある場合は、ホームの協力医療機関で治療が可能かどうかも大事な確認事項です。
見学時に案内を担当する職員は営業専門の職員の場合もあるので、できればホーム長や生活相談員の人柄も知りたいですね。そこで、面倒でも見学だけでなく体験入居をしてみましょう。いずれにしても自分が考えているより、はるかに長生きをする可能性がありますので、資金計画はゆとりを持って行うことです。
(介護コンサルタント
中村寿美子) |
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