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義母の退院の準備 小金井市/53歳女性 |
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88歳の義母が自宅で転倒して救急車で搬送され入院、大腿(だいたい)骨骨折で手術しました。その後にリハビリ病院に移り、リハビリすること3カ月でそろそろ退院になります。退院を手伝う嫁としては、何を用意して、どんなことに注意すれば良いでしょうか?
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中村寿美子 |
それはご心配ですね。まず、一日の流れを追って考えましょう。
朝、目覚めてトイレに行きますが、トイレまでの動線に手すりはありますか? トイレが和式なら洋式に造り替えて必要な箇所に手すりを付けます。朝食の用意をするために台所で作業しますが、椅子を置き適宜座ることで安定して料理ができます。そして薬を飲み忘れないように、「お薬カレンダー」を利用すると良いでしょう。
次に食料品・生活雑貨の買い物や通院時に、多くの高齢者が利用している「シルバーカー」があります。シルバーカーは基本的には自立歩行ができる人が使用するものなのですが、リハビリの成果でどの程度歩行できるようになったかによって、シルバーカー選びが重要になります。シルバーカーには休息できる座面が付いたものなどがあり、選ぶときは福祉用具相談員の助言を受けることをお勧めします。
さらに浴室でもいろいろと準備が必要です。お母さまは浴槽をまたぐことが可能でしょうか? その助けをする「バスボード」という用具があります。浴槽に取り付けることで、そのボードに腰かけて浴槽にはいることができます。そして、浴槽内には、すべらないようにマットをひきましょう。洗い場にはシャワーチェアを置いて、必要と思える箇所に手すりを付けます。
心配性の人は、入浴前に離れた場所に住む娘や嫁に「今からお風呂に入ります」と携帯電話で連絡をして、入浴が終わったら「お風呂から出ました」と再度、携帯に連絡するという人の話も聞いています。そのくらい、自宅の風呂場での事故が多いということです。
最後に就寝となりますが、夜間のトイレに2度3度と起きるようなら、ベッドのそばに「ポータブルトイレ」を置き、夜中はそこで用を足すようにすれば安心して眠れるでしょう。介護保険では自宅改修に1人20万円まで補助金があります。かかった費用に自己負担金がかかりますが、段差をなくす工夫やトイレの改修、風呂場のドアを変更するなど、有効に使いたいですね。
なお、福祉用具にはレンタルと購入、また要介護度によって利用できるものとできないものがあります。住宅改修においても自治体によって手続きの方法が異なる場合があるので、事前にケアマネジャーに相談されるのが良いでしょう。
(介護コンサルタント
中村寿美子) |
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