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施設入居のタイミング 目黒区/83歳女性 |
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毎朝、新聞の折り込み広告に介護施設のチラシが入ってきます。私も80歳を過ぎて、友人の中には施設に入った人もいます。まだ元気で自分のことは何でもできますが、将来、「最期まで自宅で過ごせるか?」「施設に入るべきか?」と悩む毎日です。施設に入る場合は、どの程度で入居するのがベストでしょうか?
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中村寿美子 |
高齢期は個人差が大きいので、一人ひとりに見合う暮らしを考えましょう。友人が施設に入ったのは、それなりの理由があったからでしょう。
まず、最期まで自宅で暮らせるかどうかは、ご自身の健康状態だけでなく、お子さんや身内の人の助けがどこまで得られるか、さらに、自治体ごとに異なる介護サービスを含めて複数の要因があり、今から簡単に結論を出すことはできません。
施設入居に関しても、その理由はさまざまです。一番多いのは、退院と同時に主治医から施設入居を勧められて仕方なく入居したというケースです。また、(本人の)認知症が進んで、お世話していた家族が体調を崩したという場合も多いです。
一方では、「オレオレ詐欺」など物騒な世の中での一人暮らしに不安を感じて、早めに入居する高齢者も少なくありません。また、3度の食事の用意が大きな負担で、嫌がる夫を説き伏せて夫婦で入居する高齢者も見かけます。
いずれの場合も介護施設では部屋が狭く、必要と思われる物をすべて持っていくことはできません。自宅近くの施設を選び衣類の交換などで毎週、必要な物を自宅に取りに帰ったりしている入居者もいるのが現状です。ただ民間の介護施設は経営者の方針によって住み心地が変わります。立地だけで選ぶよりサービス内容など複数の条件を比較して選ぶことが重要です。
そして自分のことがある程度できて、また、施設からの説明が理解できるうちに納得して入居することを心掛けてください。そうすることで、その後、施設で生活する上での満足感につながります。
自分がどの地域の何という施設にいるのか、家族から知らされないで半ば強制的に入れられたと憂いている人は、常に寂しそうに言葉少なくされています。
気を付けることは、介護認定を受けていない人が民間の介護施設に入居すると、介護費用は必要ありませんが、生活支援費として毎月高額の出費を覚悟しなければならないことです。
(介護コンサルタント
中村寿美子) |
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