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入居費に悩む 港区/88歳男性 |
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今までは探しても見つからなかった都内に、最近いくつも介護施設ができています。パンフレットだけでは詳細が分からないので、問い合わせてみるとビックリするほど費用が高額です。現在、夫婦で何とか暮らしていますが寄る年波には勝てず、将来はどこかの施設に入ろうと思いますが、とても払える金額ではありません。どう考えれば良いでしょうか?
中村寿美子 |
介護施設には公的な特別養護老人ホームと民間経営の介護付有料老人ホームがあります。どちらも介護保険での運営になりますが、費用に関しては食費、居住費、介護費用、日常生活の消耗品代などが必要になります。
特別養護老人ホームは、立地に関係なく介護保険で決められていて、所得に応じた費用を支払うことになりますが、民間の介護付有料老人ホームは居住費に当たる家賃は立地によって大きな差があります。その上、共用部分が広く、さまざまな設備が整っていると、その費用も家賃に上乗せされますから、高額に設定されるのです。さらに民間経営なので、所得に関係なく、居室の面積で家賃が決められています。このような介護施設はほとんどが一人部屋なので、夫婦での入居となると二人分の入居費用が必要になります。
団塊の世代が要介護になると想定される2025年に向けて、介護事業者は早々と準備を進めています。それで、都内に介護施設が目立ち始めました。土地・建物は介護事業者の所有ではなく地主や企業が所有しているケースが多く、その場合、介護事業者は建物一棟を借り上げて介護事業を運営しています。それ故、初期投資が少なくて済むので、介護施設が増える一因となっています。
介護付有料老人ホームは自治体から特定施設の指定を受けている施設なので、サービス内容はどこも一定です。家賃を低く設定している施設を選ぶなら、都心から離れた立地で探すことになります。アクセスが良ければ他府県も良いでしょう。
気を付けることは、経営企業の理念と方針です。入居者だけでなく介護職員の尊厳も大事にする企業を選びたいですね。今後はロボットやセンサーを使用する施設が増えていくと思われますが、やはり毎日接する介護職員の人柄が満足度につながるでしょう。
(介護コンサルタント
中村寿美子) |
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