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巣ごもりで毎日が不安 埼玉県川越市/90歳女性 |
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コロナ禍が長引き巣ごもり生活で外出の機会も減り、おまけに夏バテで体力がなくなりました。家事もはかどらず、料理をする気力もありません。近所のコンビニでお総菜を求めて何とかやっていますが、毎日が不安感でいっぱいで、気持ちが沈んでいます。
中村寿美子 |
この秋は高齢者だけでなく若くても夏バテで生活力が落ちている人が少なくありません。しかし、90歳という年齢ですから頑張り過ぎずに各種サービスを利用してください。
まずは「地域包括支援センター」に相談に行きましょう。地域包括支援センターは、どの地域にも必ずあります。役所で場所を教えてもらってください。高齢者の暮らしは、よく「自助・互助・共助・公助」といわれますが、まずは自分から情報を取りに行く必要があります。
各自治体では「介護予防・日常生活支援総合事業」が行われています。介護保険とは別に、自治体独自のチェックリストを受け、その判定によって各種サービスを受けることができます。サービスには介護サービス事業者によるものと、ボランティアなどによる支え合い事業のサービスがあり、配食サービスを受けることもできます。その費用は自治体によって異なります。
さらに各自治体で行われている高齢者の健康診断を受けましょう。コロナ禍で通院をやめている人が多いようですが、今はどこのクリニックでも感染症対策は行っていますから、必要に応じて医療も受けましょう。最近、口の中の健康が非常に大事だということがいわれています。虫歯などの痛みがなくても3カ月に1回くらいの間隔で歯の手入れをすると安心です。そして健康寿命を伸ばすことが重要なので、自主的な健康管理が求められます。
ただ無理は禁物です。テニスが趣味という85歳の女性は、ボールを打ったとたんに背中で大きな音がしたと思ったら疲労骨折を起こしてしまい、今まで通りの生活ができなくなりました。元気な人は若いときと同じように活発に動いていますが、やはり年齢に応じた無理のない運動を考えるべきです。
高齢者にはラジオ体操やストレッチで体を整えることが良いといわれています。体を動かすことで、気分が前向きになると不安も薄らぐかもしれません。それでも不安が解消されない場合は、自治体の相談コーナーや全国にある「いのちの電話」などで話を聞いてもらうことも一つの手段です。
(介護コンサルタント
中村寿美子) |
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