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両親が救急搬送された 川崎市/57歳男性 |
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先日、真夜中に携帯電話が鳴り、出てみると救急隊員からの連絡でした。「両親が救急車で病院に来ています。入院の手続きや病状などの説明があるので、なるべく早く病院に来てください」ということでした。父は熱中症で、母は大腿(だいたい)骨を骨折とのこと。今後のことが心配です。
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中村寿美子 |
ことの顛末(てんまつ)は、真夜中に起きた突然の出来事。「父は夜中に具合が悪くなり母を呼んだところ、熟睡中に突然起こされて慌てた母が転び動けなくなった。二人してどうにもならなくなり、やっとのことで119番に連絡した」とのこと。それまでは元気に暮らしていた両親が二人とも入院という事態に、慌てふためいている現状ですね。
入院中は治療を受けているので安心できますが、退院後の生活を早急に用意する必要があります。まず、介護保険の申請をしてください。熱中症の治療は短期間になると思いますので、お父さまが先に退院になります。お父さまは自宅でひとり暮らしが可能でしょうか? あるいはお子さんのどなたかが毎日、様子を見に実家に行くことができる状況でしょうか? 介護認定が出たら、ケアマネジャーと相談して介護保険のサービスをフルに利用しましょう。それが無理なら介護付有料老人ホームのショートステイを利用することもできます。
次にお母さまはたぶん手術になると思われます。その後はリハビリになりますからリハビリ病院に転院となるでしょう。リハビリ病院を退院後は状態に合わせて介護が必要になります。歩けるまでに回復すれば自宅での生活が始まります。歩行器や車イスが必要になるかもしれません。
介護保険のサービスに「住宅改修費支給」があります。利用限度額は20万円ですので、ご両親2人分のサービスとして40万円分の自宅改修が可能になります。このうち負担割合に応じた金額が自己負担額となります。どこをどう改修すれば楽に暮らせるようになるかをケアマネジャーともじっくり相談して決めましょう。注意することは、この「住宅改修費支給」サービスは事前申請が必要ということです。そして改修後、事業者への支払いが終了したら、工事完了報告書、住宅改修費請求書などの書類提出が必要になります。また、業者を決める際には複数の業者に見積りをとり比較して検討するようにしましょう。
(介護コンサルタント
中村寿美子) |
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