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疾患でホームから転居 横浜市/61歳男性 |
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アルツハイマー型認知症の母は、私の家から一駅離れた所にあるグループホームに入所して3年半になります。最近になって、持病の心臓疾患で救急車のお世話になり、入院して治療を受けホームに戻りました。その後、ホーム側から介護施設への転居を言い渡されました。今まで落ち着いて暮らしていて、みとりまでお願いしていたので、がっかりです。どうしても転居しなければならないのでしょうか?
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中村寿美子 |
それはご心配と同時に不安にもなられていると思います。しかし、グループホームの入所基準は「認知症ではあるものの、身体的に問題がないこと」です。グループホームはあくまでも認知症対応の施設であり、寝たきりになった場合にはお世話できません。基本的には救急車での入退院が繰り返されるような、日常的に医療の必要がある場合は住み続けられなくなります。
グループホームに限らず、民間の高齢者住宅や有料老人ホームで暮らす高齢者の中には、家族が特別養護老人ホームに申し込みをして順番を待っているケースも少なくありません。介護施設の中には、看護師が常駐していない施設もあり、さらに費用の面からも公的介護施設への希望者が多いのです。しかし、申し込んでもすぐには入所できないので、相談者のような場合は、民間の介護施設に転居するか、自宅に引き取ることになります。
認知症の高齢者は環境が大きく変わると混乱することがあります。それ故、転居先の施設が認知症の対応力があるかどうかが問われます。グループホームでは9人が1ユニットで生活しています。転居先の施設ではどのような介護がなされているのか、事前に見学して確認すると良いでしょう。また、転居後はこまめに面会して、お母さまが安心できる体制をつくってあげることですね。新型コロナウイルスの影響で面会も自由ではありませんが、電話で声を聞かせてあげるなど、工夫してお母さまを支えてあげてください。
グループホームの中には医療ニーズに応えて、医療連携体制加算を取得して、医療でも住み続けられるホームも少数ですがあることはあります。
(介護コンサルタント
中村寿美子) |
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