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会話がなくなり不安 さいたま市/81歳女性 |
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コロナ禍で自粛生活が長くなり、声を出すことが少なくなりました。買い物に出掛けても、スーパーではレジも現金の手渡しから機械に現金を投入するようになっています。外ではもちろんマスクをしていて、立ち話もしていません。一人暮らしなので、話し相手がいません。子どもとは毎日メールでの生存確認なので、やはり声を出しません。何だか、とても不安です。
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中村寿美子 |
一人暮らしはマイペースで気楽だと誰もが思っています。しかし、コロナ禍での新しい生活様式になると、今までは全く感じることがなかった「漠然とした不安感」を抱くようになったという高齢者が少なくありません。
例えば、ある人の場合、趣味と健康維持を兼ねたプール通いも、以前は泳いだ後のランチ会食が楽しみでもあったのが、今ではまっすぐ帰宅しているとのことです。黙ってひたすら泳ぎ、急いでシャワーを浴びて、会話もせずに帰り支度をしていると、何とも味気ない時間を過ごしている、本当につまらない、と話していました。
以前と同じことを続けているにもかかわらず、同じ満足感が感じられないのは、そこには仲間との交流・会話がないからでしょう。「今日は調子が良かった!」とか、「今日はいつもの2倍も泳げた」とか、たわいもない会話があるから楽しさが倍増していたんですね。
声を出さない毎日はとても不自然です。声を出して新聞や本を読むようにすることをお勧めします。また、百人一首を朗読するのはいかがでしょうか? そして童謡や好きな歌手の歌を口ずさむことで、ストレスを発散できるかもしれません。
お子さんにはメールではなくて一日一回の電話をお願いしましょう。声を聞くことで、体調の変化に気付くこともあります。メールは連絡事項だけにとどめるのが無難です。生存確認とは高齢者の急変に気付けるかどうかが重要なのです。
(介護コンサルタント
中村寿美子) |
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