|
高齢期の楽しみ 狛江市/77歳女性 |
|
|
今年も平均寿命が延びて女性は87.45歳になったようです。私は現在、半年以上の巣ごもり生活が続いています。今まで健康で過ごしてきましたが、この先、10年もこのような生活が続くかと思うとうんざりします。長生きしたいとは思いますが、介護が必要になったとしたら、どのようにして日々の暮らしを楽しむことができるのでしょうか?
|
中村寿美子 |
書店に行くと高齢期の生き方の指南書が多数並んでいます。知識人や作家など有名人の書き下ろしがほとんどです。実際には80歳代になると、個人差が大きくなり、それまでグループで楽しく活動していた仲間も歩調が合わなくなって、全員がそろうことも少なくなってきます。
そこで、一人で楽しむ時間を増やすことを提案します。それは「一人称の余暇」ともいわれています。内容は、自分自身で創りだすもの、与えられた課題をこなしていくもの、目標を定めて毎日積み上げていくもの…と、さまざまな余暇が考えられますが、いずれも自分が楽しいと感じられることが大切です。その中でも読書は万人共通の趣味になりますが、この機会に長編に取りかかったり、テーマを決めて読み込んだりするなど、楽しみ方は人それぞれです。図書館はリクエストも受け付けてくれるので図書館を利用することもお勧めです。
また、余裕があれば講師や専門家のもとで、興味のあることを勉強し直すことも、新しい生きがいになります。例えば楽器の演奏や書、絵画の部類など、芸事は特に暮らしに潤いをもたらしてくれます。芸事はマイペースで長く続けることが上達の秘訣(けつ)でしょう。
そして、散歩も大切な余暇の一つです。天気が良ければ、一日に一回は外の空気を吸って、世の中の変化を肌で感じてみましょう。
趣味がある人は良い表情をしているとよくいわれます。ただ、あまり難しく考えず、例えば「ひとりトランプ」など、誰もが子どものころに楽しんだことがあるような、懐かしい内容も良いですね。最近はクロスワードパズルのような「漢字ナンクロ」や「ナンプレ」が人気のようです。
高齢になると集中力が減少することがあるので、一つのことは40分くらいにして、お茶の時間を入れてメリハリを付けて過ごし、生活のリズムをつくることが余暇を楽しむコツです。
介護が必要になったとしても、ひとり遊びの種類が多ければ多いほど、充実した毎日が過ごせるでしょう。
(介護コンサルタント
中村寿美子) |
| |
|