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広いホームに住みたい 横浜市/80歳女性 |
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長い自粛生活が続き、一人暮らしが不安になってきました。まだ自分のことは自分でできますが、子どもたちも忙しいので迷惑をかけたくないと思っています。最近、自宅近くにも新しい老人ホームができ見学してきたのですが、部屋が狭くて病室みたいでした。できればリビングと寝室が別室でゆったり過ごしたいと思っています。どうすれば良いでしょうか? 皆さんはどうされているのでしょうか?
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中村寿美子 |
今年は新型コロナウイルスの影響で生活様式が大きく変わり、誰もが不安を抱えて暮らしていますね。特に高齢者は感染すると重症になりやすいといわれており、不安ばかりが増幅されています。
また、高齢者といっても生活力は個人差が大きく、外観からは分からない部分が多いのも実情です。そして体調を崩してからでは「時すでに遅し」で、自分の希望通りの老後にならないことが多くなります。
民間の老人ホームや高齢者用の住まいには、「介護付有料老人ホーム」「住宅型有料老人ホーム」「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」などサービス内容が異なる種類があります。自分の条件にピッタリの選択ができるかどうかで、その後の暮らしが大きく変わります。
また、サービス内容だけでなく権利形態も重要なポイントです。老人ホームには、「利用権方式」(施設を利用する権利を前払いで購入する形態)と、「借家権方式」(月ごとに家賃などを支払う形態)があります。「サ高住」は安否確認が義務化された賃貸住宅なので当然借家権となりますが、中には一時金方式のタイプで利用権としているサ高住もあって、全てを理解するには時間が必要です。それぞれの違いを正確に理解してから、実際に見学に行きましょう。
借家権方式の有料老人ホームでは、午後5時以降の夜間での安否確認は外部委託になり、基本的には救急車対応に職員の同行はありません。一方、利用権方式のホームでは夜勤職員の24時間対応が行われています。
また、「借家権」の居室内でのことは全て自己責任になります。例えば、居室の掃除であっても、訪問介護の生活援助などの契約がなければ自分で掃除をしなければなりません。その介護保険の利用は外部サービスを利用しますので、ケアマネジャーとケアプランを立てます。
今回のご希望のように2部屋ある自立型ホームでは、要介護状態になったときにどういう対応になるか、かかる介護費用も含めて詳細な説明を聞いておきましょう。それまで暮らしていた居室から、別の要介護の建物に契約をし直し、再度入居費用が必要になるケースもありますから、念には念を入れて100%納得してから決断してください。そして候補にあがった老人ホームには必ず体験入居をしてみましょう。80歳という年齢ですから引っ越しは一度で済ませたいですね。
(介護コンサルタント
中村寿美子) |
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