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ホームに入る経済力がない 練馬区/78歳女性 |
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喜寿を過ぎて、腰痛がひどくなり歩くにも一苦労です。重い荷物も持てなくなり、いろいろと不便なことが多くなってきました。現在一人暮らしですが、有料老人ホームに入居するような経済力はないので、どうしたものかと途方に暮れています。
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中村寿美子 |
70歳代後半にもなると、どこかしら体に不調が現れてくるものです。「まだ、介護は必要ではないけれど不安な生活を余儀なくされている」という高齢者は少なくありません。そういう人向けに昭和の時代から「軽費老人ホーム」がありました。平成時代には「ケアハウス」として自治体が整備してきましたが、需要に対して供給は満たされていません。
そこで、最近は「都市型軽費老人ホーム」が整備され始めています。それまでの軽費老人ホームやケアハウスより居室面積が狭く7.43平方メートル以上で、定員数も20人以下と小規模です。現在都内23区と三鷹市に合わせて約30カ所あります。
入居対象者は、身体機能の低下などにより、自立した日常生活を営むことについて不安があると認められ、家族による援助を受けることが困難な60歳以上の人となっています。毎月の費用も11万円前後です。
高齢者に関する情報や知識は、黙っていても誰も教えてくれません。実際に介護認定を受けて既にデイサービスなどの各種サービスを利用している人であっても、ケアマネジャーだけを頼りにしていては広範囲の情報を知ることは難しいようです。高齢者の相談窓口として一般的なのは「地域包括支援センター」ですが、そこでもゆっくり時間をかけて相談するという状況にはありません。
令和元年の高齢化率は28.1%といわれています。積極的に勉強して将来の生活設計をする時代になっているのです。
(介護コンサルタント
中村寿美子) |
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