|
ホーム入居を勧めたい 千葉市/56歳女性 |
|
|
実家で独り暮らしの母(86)は、会うたびに痩せていきます。母は「どこも具合が悪い所はない」と言いますが、きちんと食事をしているかどうかも心配です。でも、母は今のままが良いと言い張ります。一人娘としてはどこかの老人ホームに入ってほしいと思っています。何か良い方法はありませんか?
|
中村寿美子 |
あなたのような思いをしている人が少なくないと思われます。しかし、高齢になればなるほど、人はかたくなになっていく傾向が見られます。また、老人ホームに入ったら、自宅に帰れないと思っている人が多いことも事実です。実際には外出も外泊も自由です。ただ外出時の問題点は、介護保険を(自宅とホームの)両方では使えないということです。老人ホームでは介護保険を利用するのが大前提なので、自宅に戻ったときに、あるいは外出先では介護サービスは自費でのサービスに限られます。
あなたのお母さまが「今のままが良い」という理由は何でしょうか? 思い出がつまった自宅から離れたくないのでしょうか? あるいは、先祖代々引き継がれた土地や家を守るという使命感からなのでしょうか? また、「老人ホームに入る」ということが恥ずかしいことと思っているのでしょうか? 「子どもが親をみとるのが当たり前だ」と考えているのでしょうか?
ホーム入居を勧めるにあたっては、これらの否定的な理由を一つずつゆっくりと解消していくことが必要ですが、実際にはとても難しいことのようです。それ故、娘として母親のためには何ができて、何ができないのかを具体的に伝えることが次のステップになります。例えば、「毎月1回は来てあげられるけど泊まることはできない」というように。
高齢のお母さまに伝えるには紙に書いて渡すことも重要です。なぜなら、そのときは分かっても時間が経過するとうやむやになってしまうからです。
老人ホームにもいろいろなタイプがあります。まずは娘であるあなたが老人ホームのことを勉強して、お母さまにピッタリのホームを見つけてあげることでしょう。そして、その後も一緒に行動してあげることです。80歳代後半の年齢で初めてのことを一人で行うことは、間違いのもとになりかねません。お母さまの気持ちに寄り添ってあげることで、良い結果が生まれることを願っています。
(介護コンサルタント
中村寿美子) |
| |
|