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脳梗塞で車いす生活に 墨田区/75歳男性 |
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仕事も順調、趣味も好調で友人も多く、人生を謳歌(おうか)していたとき、何の前触れもなく突然、脳梗塞で救急搬送され車いす生活になりました。利き手の右手が使えず、まさか自分がこのような状態になるとは思ってもいませんでした。見舞いにくる人からは「あなたは一命を取り留めただけ恵まれている」と言われますが、冗談じゃないと怒りがこみ上げます。
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中村寿美子 |
健康な体で自信あふれる生活を送っていると思っているときでも、突然、病に倒れるのが後期高齢者なのです。最近の75歳は男性も女性も外見は若々しく、オシャレで活動的です。しかし、肉体は75年を過ぎて、どこかで無理が続いているのですが、それが自覚症状には表れないのです。介護保険の適用年齢が65歳なら、後期高齢者の75歳は「いつ何が起きてもおかしくない年齢」といえるのではないでしょうか。
元気だった人ほど、自分の障害を受け入れられないものです。あなたもつらい日々を送っていることとお察しします。高齢者福祉の3原則に「残存能力の活用」がうたわれているように、まだできることが必ずあります。これまでのような生活を取り戻すには、小さな目標を見つけてひとつずつ目標をクリアしていくことが大切です。でも、そこに至るまでには、もう少し時間が必要でしょうね。
また、見舞客の口には戸を立てられません。何を聞いても笑い飛ばせるようになるには、月日という薬が必要で、時間が必ずあなたの心を癒やしてくれます。
しかし、理屈では理解できていても、感情が邪魔をするのが人間(特に男性の高齢者)です。体が思うように動かないことから、イライラしたり、わけもなく相手に当たってしまったりすることもあるでしょう。そんな時の特効薬は「笑い」なのではないでしょうか?
自分自身との長い葛藤の末に、無意識のうちに笑顔になっている自分を発見したときから、再び新しい人生が始まるのかもしれません。そのような日々が近づいていることを心から祈っています。
(介護コンサルタント
中村寿美子) |
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