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私を鬼婆扱いする母 町田市/59歳女性 |
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母は世話をしている私のことを「まるで鬼婆(ばば)のようだ」と誰にでも言います。毎朝の失禁の処理や着替えから、母好みの食事作りまで、私なりに頑張っているつもりです。母が週2日デイサービスに行っている間だけが自分の時間です。(私の)姉妹が来ると、母は彼女らをお客さま扱いして、その上で私のことを鬼婆と言います。そんな風に言われるのはたまりません。いつまでこの生活が続くのかと思うと暗い気持ちになっています。
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中村寿美子 |
優しさがあるだけ損をする世の中なのでしょうか? あなたはお母さまのためを思って注意をしたり禁止事項を伝えたりしていると思います。それが、「親に向かって…」という意識を持つお母さまにとっては耳障りで、聞きたくない小言になっているのでしょう。そして、たまに遊びにくる姉妹たちはお母さまにとってはお客さまなので、その時だけはシャキッとするのです。同じ子どもであっても、一緒に暮らす人は家族で、たまに来る人はお客さまになりがちです。
自分は身を粉にして毎日世話をしているのに、母からは「ありがとう」の一言もなく鬼婆と言われ、逆にたまにしか来ない姉妹たちには「遠いところをありがとう」と丁寧な態度をとられると、確かにやりきれなくもなりますね。割り切れない思いで大きなストレスになるのも分かります。
介護状態になると、このような話をよく聞きます。親は勝手なもので、自分に都合よく周囲に接します。長男に見せる顔と、長女に見せる顔が違うという人もいます。育児と違って介護には終わりが見えません。あなたの場合は、たまに来る姉妹が同じ家族と思うから割り切れないので、ここは気持ちを切り替えて、いっそのこと、姉妹であっても他人と思えば腹も立たないでしょう。
そして、相続では実際に介護をした人に「寄与分」が認められることがあります。そのためにも介護日記を付けておきましょう。介護にかかった費用の領収書も日記と一緒に保管しておきましょう。介護は体験した人でなければ、その大変さは理解できません。でも、きっとお母さまはあなたを心から頼って安心していることでしょう。ショートステイなどを利用して息抜きをしながら、お母さまに寄り添って暮らしていかれることを願っています。
(介護コンサルタント
中村寿美子) |
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