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子2人から同居の誘い 港区/85歳女性 |
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85歳の誕生日を迎えた日に、息子と娘それぞれから「お母さん、これ以上一人暮らしは無理だから一緒に暮らそう」と誘われました。息子の家ではお嫁さんに気兼ねしますし、娘の家だとこき使われそうで、どうしたら良いか迷っています。
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中村寿美子 |
2人のお子さんから優しい言葉をかけられて、とてもお幸せですね。どちらを選ばれても多分、同じような気持ちになると思われます。
若い世帯では、それぞれが自分の世界を築いて暮らしています。たとえ、専業主婦であっても地域の活動やボランティア、お稽古事などで忙しくしています。ですから昼間は誰もいないことが多いと思います。結局、どちらの家に行っても日中はあなたが独りきりになることがほとんどでしょう。昼食も独りで食べることになります。
また、今なら親しくしている近所の人がいるでしょうが、新しい環境ではお茶飲み友達をつくるのに時間がかかります。家族と一緒にゆっくりくつろげるのは休日だけと覚悟しましょう。多くの高齢女性からお話を聞いていますが、中には「子どもの家にいると遠慮してしまい窮屈。夕飯が鍋物だと手が出ないのよ」という人もいます。そういう現実もあるということを覚えておいてください。
高齢者住宅を選ぶ時に体験入居という制度があるように、あなたもそれぞれにお試し期間を設けてから最終的に決めるのが良いと思います。一緒に暮らすというのは“お客さま扱い”ではありません。親子であっても何十年も離れて暮らしていたのですから、生活習慣も違っていて驚くことも少なくありません。
(介護コンサルタント
中村寿美子) |
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