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減塩でも満足な食事を 板橋区/57歳男性 |
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高血圧気味なのでなるべく塩分を控えるようにしています。でもラーメンなど塩分の多い食べ物が好きな私は、食事に満足感が得られません。食事に満足できるようにするには、どのような塩分の取り方が望ましいのでしょうか?
塩分の過剰摂取は血圧の上昇を招きます。それでは、どのような塩分の取り方が望ましいのでしょうか?
「日本人の食事摂取基準(2005年版)」によると、日本人成人1日の塩分摂取の目標値は、男性10グラム未満、女性8グラム未満となっています。しかし高血圧の患者さんでは併発症を防ぐためには1日6グラム未満(高血圧治療ガイドライン09年版)が目標とされています。日本人の塩分摂取量は、平均で1日11〜12グラムくらいですので、高血圧の人は半分近くに減らさなければなりません。
塩分は、すべて「塩」からとっているわけではなく、半分は加工食品に含まれる塩分で、残りは、みそ・しょうゆ・ソースといった調味料から取っています。したがって、調味料だけでなく、加工食品を控えることで塩分の取り過ぎが防げます。特にみそ汁・スープ類や麺類のつゆなどは塩分を多く含みますので、なるべく汁物は控え、麺類のつゆも残すことをおすすめします。
天然の新鮮な食材にはほとんど塩分は含まれていないので、加工食品ではなく新鮮な食材を使って調理することも良い方法です。この時、調味料の代わりにレモン・かぼすなどのかんきつ類を味付けに使うと減塩に効果的です。また野菜や果物には、血圧を下げる作用があるといわれるカリウムが豊富ですので多めに取ると良いでしょう。
ただし、腎臓の障害があり、カリウムの制限が必要な人はご注意ください。カルシウムやマグネシウムにも血圧を下げる作用がありますので、牛乳など乳製品を毎日適量取ることもおすすめします。
最後に一言付け加えますと、脳血管・心血管疾患(脳卒中、心筋梗塞など)は日本人の寿命を左右する重要な病気で、高血圧や動脈硬化症がその発症に大きく関わっています。日常の食生活に気をつけていただき、健康で楽しい生活をお続けください。
東京慈恵会医科大学糖尿病代謝内分泌内科、蔵田医院 蔵田英明 |
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