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酒の強さと病気の関係 江戸川区/55歳男性 |
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私はアルコール類なら何でも飲む、大の酒好きです。でも酒の強さという意味ではあまり強い方ではないようです。顔も赤くなりやすいですし、たまに飲み過ぎると心臓がドキドキすることもあります。酒に強い飲み仲間と飲んでいると、いつもうらやましく思ってしまいます。私のような人間はどのような飲み方をすればいいのでしょうか? また、「酒に弱いと病気になりやすい?」など、アルコールと病気の関係も教えてほしいです。
アルコールは体の中に入ると肝臓で酵素によってアセトアルデヒドという物質に変わります。アセトアルデヒドは顔が赤くなったり気持ち悪くなったりする原因ともなる物質で、発がん性もあります。
アセトアルデヒドは、アルデヒド脱水素酵素の働きによって無害な酢酸になりますが、日本人を含めた東アジアの人々の中には遺伝的に、この酵素の働きが悪い人が一定割合存在します。日本人の35%は、酵素の働きが弱く、飲み始めた頃は、ビール1杯程度のお酒でも顔が赤くなった経験を持っている人が多く、“赤型体質”と呼んでいます。また7%の人は、全くといっていいほどアルコールを分解できない、いわゆる“下戸”のタイプです。残りの58%の人はお酒を飲んでも赤くなりにくいことから“白型体質”と呼んでいます。
赤型体質の人でも、飲酒を続けているうちに徐々にアルコールに慣れてきて、大量に飲むこともできるようにはなります。しかし赤型体質の人が飲酒した場合、口腔(こうくう)、下咽頭、食道など上部消化管のがんのリスクが、白型体質に比べ10倍以上高くなることが報告されており、胃がんや大腸がんについても3倍程度リスクが高いとされています。また、お酒を分解するスピードも白型体質より遅く、急性アルコール中毒のリスクも高いです。
以上のことより、赤型体質の人は、なるべくお酒を控えるようにした方が健康には望ましく、無理して強くなる必要は全くありません。
国立病院機構 久里浜医療センター 真栄里仁 |
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