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アルコール依存症 江東区/64歳男性 |
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私は30代になってから、ビール、日本酒などアルコールの味を覚え、以来ずっと飲み続けています。風邪をひいたときなど、ごくまれに“休肝日”を設けることがありますが、基本的に毎日の晩酌を欠かしませんし、家にアルコール類がないと落ち着きません。これはアルコール依存症なのでしょうか? 最近、お酒が弱くなってきているようで少し不安です。アルコール依存症の見分け方と対策が知りたいです。
アルコール依存症は男性の50人〜100人に1人はいるとされる比較的多い病気です。しかし病気への偏見や診断の難しさもあり、なかなか治療に結びつきにくい病気でもあります。
ご相談のケースは、毎日飲酒し、酒がないと落ち着かないということから、依存症の特徴の一つである精神依存はあると考えられます。さらにひどくなると、夜中でも飲酒運転してでも酒を買いに行くという“薬物探索行動”が見られるようになることもあります。しかし、精神的に依存しているだけでは依存症とはいいません。今まで大切にしていた仕事や健康、家族などよりも、お酒を飲むことが最優先されるようになり、さまざまな問題が出てくるようになった状態がアルコール依存症です。
代表的な症状としては、お酒が体から抜けてくると手が震えたり、汗をかいたり、動悸(どうき)がしたりするという離脱症状(禁断症状)と、一日中お酒を飲み、酒が体から抜けない状態が2日以上続く連続飲酒が挙げられます。このような症状がある場合や、アルコール依存症のスクリーニングテスト(http://www.kurihama-med.jp/alcohol/kast.html)で、点数が基準値を超えている場合には、アルコール依存症専門医療機関の受診が必要になってきます。まずはお近くの保健所や精神科医療機関にご相談ください。
また該当しない場合でも、ご相談のケースのように、精神依存があるなど今後問題が出てくる可能性が高い場合もあります。飲酒量や飲酒頻度を抑えるよう努力しましょう。
男性ですと、1日平均ビール1リットル(日本酒2合)以上の飲酒は将来、さまざまな生活習慣病を引き起こす可能性が高いとされていますので、それ以下にしましょう。また休肝日を設けたり、飲酒量を記録(飲酒日記)したりするのも効果的です。
国立病院機構 久里浜医療センター 真栄里仁 |
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