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アルコールと動悸 北区/51歳女性 |
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私は、ビールや日本酒などアルコール飲料が大好きなのですが、少し飲むと胸がドキドキ、ドクンドクンと動悸(どうき)が激しくなります。せっかく楽しい飲み会に参加しても、心から楽しめません。これって、心臓の病気か何かでしょうか。ちなみに動悸がしてくるのはビールですと中ジョッキ1杯くらい、日本酒ですと1合くらいです。もちろんおつまみを食べながら飲んでいます。また、動悸を抑える方法はあるのでしょうか。
酒は「百薬の長」といって、昔から適度な飲酒は健康に良いといわれてきました。実際に飲酒と死亡との関連を調べてみると、適度にアルコールを摂取する方が、まったく飲まないよりも死亡率が下がる、特に心臓や血管が原因の死亡率が下がるという報告があります。
どのくらいの量のアルコールが心臓病に予防的に働くかというと、1日平均8~25グラム、1週間で50~180グラム程度。つまり、ビールだと1週間で1~3.6リットルの摂取です。一般的に女性はコップ1日1杯、男性は1日2杯までのビールは健康にいいとされています。ただし、過度のアルコール摂取は、心不全や高血圧、不整脈や脳卒中を増加しますから、酒好きの人は要注意です。
さて、ご質問に関してです。アルコールの量的には問題ないようですが、症状からすると飲酒によって何か不整脈が起きている可能性があります。ただしアルコール摂取によって単純に心拍数が増加して、不整脈ではないのに動悸を感じる人もいますので、まず医療機関を受診するのがよいと思います。飲酒に伴って不整脈が起きているかどうか、検査を受けて診断してもらうべきです。
最近、「心房細動」という不整脈はアルコール摂取量に相関して増える、つまりアルコールはまったく取らない方が心房細動は出にくい、と報告されました。飲酒によって、そのような不整脈が出ているようであれば、やはりアルコールは避けるべきでしょう。不整脈ではないと診断されれば、安心して適度なアルコールを楽しんでください。
ハートケア情報委員会 慶應義塾大学医学部循環器内科 高月誠司 |
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