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肝嚢胞とは 江東区/50歳男性 |
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会社で受けた健康診断の結果が郵送されてきました。所見欄に「肝嚢(のう)胞1個が認められます」と書いてあったのですが、肝嚢胞とはどういうものなのでしょうか。そのままにしておいていいものなのか、きちんと治療した方がいいのか迷っています。また、治療するにしても何科に行けばいいのか分かりません。
肝嚢胞は、肝臓に液体が貯留した袋ができる病気です。大きくならなければ無症状のため、人間ドックなどの超音波検査や腹部CT撮影によって偶然発見されます。肝嚢胞は先天性と後天性に分かれ、ほとんどは先天性の単純嚢胞で問題ありませんが、まれに外傷、炎症や寄生虫によるもの、腫瘍(しゅよう)性のものもあります。
先天性単純性肝嚢胞で症状がない場合は、治療の必要はなく、定期的に超音波検査を行い変化の有無を観察するだけで良いでしょう。しかし、嚢胞が大きい場合や多発性の嚢胞で、圧迫症状や黄疸(おうだん)がある場合や感染、出血、破裂などの合併症を生じた場合は治療が必要です。また、炎症や寄生虫によるものや腫瘍性のものについては、原因に応じた治療が必要となります。
肝嚢胞を指摘された場合は、消化器内科を受診し検査を受けることをお勧めいたします。
東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科 蔵田英明 |
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