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ポリープについて 北区/56歳男性 |
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先日、大腸にポリープが見つかり切除しました。一度ポリープができると、またすぐにポリープができるものなのでしょうか。わたしは、ポリープができやすい体質なのではないかと心配です。食生活の改善などでポリープのできにくい体質にすることは可能でしょうか。
ポリープとは1つの病気を表す言葉ではなく、正常の部分からイボのように突起したものを指します。
大腸ポリープは、大きく“腫瘍(しゅよう)性のポリープ”と“腫瘍性以外のポリープ”に分けられます。“腫瘍性以外のポリープ”には、炎症性や過形成性ポリープなどがあります。これらのポリープは、正常細胞が集まってイボ状になったものなので、放置していてもほとんど問題はありません。
一方、“腫瘍性のポリープ”は、良性のものと悪性のものに分類されます。このうち、良性のポリープは腺腫と呼ばれます。大腸ポリープでもっとも多いものが腺腫のため、「大腸ポリープ=腺腫」とされることが多いようです。すべての腺腫が治療(切除)対象になるとは限りませんが、腺腫が大きくなり“癌(がん)化”する可能性があるため、ある程度の大きさの腺腫の場合は切除をお勧めします。
いったんポリープができるとすぐにポリープができやすくなるとの科学的根拠はありません。諸説はありますが、切除の翌年に大腸鏡検査をすることにより、1年以内にポリープが発生したかを確認することができます。
一方、悪性のポリープとは、いわゆる癌です。粘膜内癌やそれに準ずるものであれば、内視鏡で切除することができます。癌の場合は、切除ができても適切な時期の再検査を要します。ポリープといっても、上述のような種類があるため、担当医師にポリープの種類を確認した方が良いでしょう。
大腸ポリープの予防法は現在のところありません。内視鏡で切除できるポリープ自体は怖いものではありませんが、大腸ポリープは、放置して悪性化して進行してしまうことが問題です。大腸癌を予防する生活習慣として野菜の摂取や運動が有効とされています。また、国立がんセンターからは「がんを防ぐための12カ条」も提言されており、参考にされると良いでしょう。
北里大学医学部外科学 佐藤武郎、渡邊昌彦 |
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