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牛乳を飲むと下痢に 八王子市/60歳男性 |
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わたしは昔から牛乳を飲むと、おなかを下します。ほかの飲み物は大丈夫なのに、なぜ牛乳はダメなのでしょうか。牛乳を飲んでも下痢にならないようにするにはどうしたらいいでしょうか。
ご相談の症状は乳糖不耐症と思われます。乳糖は牛乳や乳製品に含まれている糖で、小腸でラクターゼという乳糖を分解する酵素の働きによりブドウ糖とガラクトースに分解して吸収されます。
乳糖不耐症では、このラクターゼの欠乏により乳糖を消化吸収できずに下痢になったり、消化されない乳糖が大腸で腸内細菌により発酵しおなかが張ったりゴロゴロしたりします。乳幼児では、乳糖分解酵素ラクターゼがもともと欠損している先天性乳糖分解酵素欠損症がありますがまれで、多くはこの酵素の活性(働き)が低下することにより起こります。
牛乳は不足しがちなカルシウムを補うには大変良い食品ですので、ぜひとりたいところです。症状が気になるようでしたら、牛乳を温めて少量お飲みになるか、代わりにヨーグルトなどの発酵乳製品を召し上がるなどの工夫をしてはいかがでしょうか。
東京慈恵会医科大学 糖尿病・代謝・内分泌内科 蔵田英明 |
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