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十二指腸潰瘍とは 水戸市/59歳男性 |
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あと半年で定年です。40年近いサラリーマン生活で、たばこは吸いましたし、酒も付き合いで週に2〜3回は飲んでいました。再就職するため健康診断を受診したところ、十二指腸潰瘍(かいよう)の疑いがあると言われました。十二指腸潰瘍とはよく聞く病名ですが、手術をすれば治るのでしょうか。
十二指腸潰瘍は通常、胃から十二指腸に至る、はじめの球部という個所にできる潰瘍です。以前は痛みが強い場合や出血する場合は手術が主流でしたが、現在は飲み薬で治療することが第一選択です。
この場合、胃の中に潰瘍の原因となるピロリ菌が生息しているかどうかが重要です。これは胃内視鏡で組織をとって調べる方法や採血して調べる方法、検査薬を飲んで吐く息で調べる方法などいくつかがあります。
もしピロリ菌がいたら、まずこれを駆除する治療(飲み薬)をすることが一般的です。いない場合は酸を抑える薬を中心に治療することとなります。もちろんこのような治療に反応しない場合や、穿孔(せんこう)して穴があき腹膜炎になった場合、また繰り返し再発と治療を行った結果、十二指腸における食べ物の通過が悪くなった場合などは手術が必要なこともありますが、まずは薬で対処するのが一般的です。
したがって、あなたはまずピロリ菌が陽性かどうかを調べてもらい、その後の治療は専門医に診てもらうことをお勧めします。また十二指腸潰瘍の原因となる過度のストレスや暴飲暴食を回避するなど、日常生活でも健康管理を心掛けることが大切です。
東京慈恵会医科大学附属第三病院 外科診療部長 岡本友好 |
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