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ひざ痛の治療法は? 練馬区/79歳女性 |
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30年ほど前から、ひざが痛くなり、湿布や飲み薬などで治療しています。先日右のひざが痛くなり、近所の医院で「リハビリが必要」と言われました。血流を良くするということで、両ひざを強烈に機械でもまれたのですが、痛みはむしろひどくなり、リハビリを受けた日には脚が冷たくて眠れなくなりました。その後、脚の冷たさは多少良くなりましたが、痛みは全くひきません。どんな治療法がありますか。
相談の内容から、恐らく変形性膝関節症という病気ではないかと思われます。変形性膝関節症とは、加齢とともにひざの軟骨がすり減り、関節炎や変形を生じて痛みなどが起こる慢性、進行性の病気です。ひざ周囲の筋力低下も発症、悪化の要素となります。中高年の女性に多く、「年のせいだから仕方がない」とお考えになる人も多いようです。一度発症したら軟骨が元通りになることはありませんが、早い時期から適切な治療をすることで、症状の進行を遅らせ普通の日常生活を送れる人もいます。
相談のケースでは、30年前からひざの痛みを自覚されており、外用消炎鎮痛剤(湿布、軟こう)や内服を用いていたとのことですが、もし急に右ひざの痛みが強くなってきたということであれば、レントゲンなどの検査を行った上で、適切な治療法を選択しなくてはならないと思われます。いわゆる“リハビリ”というのは、物理療法のことと思いますが、症状が強いときや、治療によって痛みが増すときは、ためらわず主治医に相談して治療法を変えてもらうようにしてみてはいかがでしょうか。
治療法には筋力訓練や物理療法のほかに、消炎鎮痛剤の投与(すでに処方されているのであれば、処方内容の変更なども検討)、関節内へのヒアルロン酸製剤の注射などがあります。これらの治療法で軽快しない場合は、関節鏡による関節郭清術や人工膝関節置換術といった手術を行うことになります。
当院でも患者の生活様式や合併症、体力などを加味して治療にあたっています。また、大学病院という特性を生かしチーム医療により多少の合併症のある人でも手術が受けられるようになっています。
いずれにせよ治療法は一つではありませんから、まずは主治医とよく相談をして、十分納得のいく治療方法を話し合ってみてはいかがでしょうか。
東京慈恵会医科大学附属第三病院 整形外科 田邊登崇 |
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