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結石について 大田区/65歳男性 |
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だいぶ前になりますが、尿管結石を患ったことがあります。それ以来、時々背中(腎臓のあたり)に鈍い痛みを感じるようになりました。何か結石と関係があるのでしょうか。再発するのではないかと心配です。また、結石にならないためには、何に気をつけたらよいのでしょうか。何でもけっこうですので教えてください。
尿路結石は40〜50歳代の男性に多く(女性の2倍以上)、側腹部から下腹部にかけての疼痛(とうつう)や血尿を主症状として発見されますが自覚症状のないことも多く、まれに尿路閉塞(へいそく)や腎機能障害を呈することもあります。尿路結石は、尿に溶けているミネラル物質が結晶化してでき、結石の場所により腎臓結石、尿管結石、膀胱(ぼうこう)結石あるいは尿道結石と分類されます。そのうち腎臓結石、尿管結石が大半を占め、膀胱結石、尿道結石は5%ほどです。
原因は高カルシウム血症、尿路感染症、尿路通過障害(尿管狭窄=きょうさく、前立腺肥大など)、尿酸代謝異常(痛風など)がわかっていますが、まだ明らかでない点も多く偏食、カロリー過多など食生活習慣も大きく関与しているようです。
治療は結石による疼痛に対しては鎮痛薬、鎮痙(けい)薬を使います。結石が小さい(約9×6センチ以下)ものは、自然排石が期待できるので大量の飲水や輸液、そして適度の運動をすすめます。一方、結石が大きい場合、結石による尿路閉塞、腎機能障害がみられ持続する場合は、体外衝撃波結石破砕術、内視鏡的砕石術や手術が必要になります。
再発予防としては、水分を十分にとって尿量を増やし結石の排出を促すこと(ただしコーヒー、紅茶の多量摂取やプリン体、シュウ酸を多く含むビールは控えること)、脱水にならないことが大切です。適度な運動も再発予防には有効です。バランスのよい食生活(脂肪と動物性タンパク質を控えるなど)にも心掛けてください。また、高尿酸血症によりおこる尿酸結石では、尿をアルカリ性に保つことも大切です。
東京慈恵会医科大学内科学講座 糖尿病・代謝・内分泌内科 蔵田英明 |
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