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サルコイドーシスとは 足立区/45歳男性 |
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元気だったわたしの知り合いが先日、入院しました。「サルコイドーシス」という病気だそうです。耳慣れない名前の病気なので心配です。サルコイドーシスとはどのような病気なのでしょうか。症状や治療法などを教えてください。
サルコイドーシスとは、肺、目、皮膚を中心に全身のいろいろな臓器に慢性化した炎症の結果できる肉芽腫という結核に似た病巣をつくる原因不明の疾患です。有病率は人口10万人に7〜9人程度で女性が男性より若干多く、年齢は20歳代と40〜50歳の女性に多いと報告されています。
よく認められる症状は、(1)かすみ目、羞明(しゅうめい(2)まぶしく感じること)、視力低下などの眼症状、(3)せき、息切れなどの呼吸器症状、 (4)発疹(ほっしん)、しこりなどの皮膚症状、(5)心臓に病変がある場合は不整脈(めまい、失神、徐脈)などがあります。症状は肉芽腫ができた臓器の障害として出現します。しかし病変が進行するまでは無症状で、健康診断でサルコイドーシスと診断されることも多いようです。
経過は70〜90%の患者さんは1〜2年後には自然に消退します。 このため症状の軽い例では無治療で経過を観察しますが、心臓や神経系に病変がある場合や肺、眼症状が強い場合には副腎皮質ステロイド剤を用います。しかし原因が不明であるため、特有の治療法がないのが現状です。
東京慈恵会医科大学 内科学講座 蔵田英明 |
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