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肝臓がんのことを教えてほしい 多摩市/68歳女性 |
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先日、地元の医院で診察を受けたところ、肝臓に腫瘍 (しゅよう) があると言われ、病院で精密検査を受けることになりました。周りからはがんではないかと言われます。「もし肝臓がんだったら」と考えると、目の前が真っ暗になりました。肝臓がんについて教えてください。
まず肝臓にできる腫瘍には、血管腫のように良性のものから肝細胞がんのように悪性のものまでいろいろなものがありますので、どのような種類の肝腫瘍かを確認する必要があります。仮に肝細胞がんであっても大きさや数、腫瘍以外の正常な肝臓の働きがどの程度障害されているかにより、手術や治療の方法や回復の程度が左右されます。
治療法としては、手術で肝臓の腫瘍を切除する方法、腫瘍に栄養を送る血管を詰めてしまう肝動脈塞 (そく) 栓術、腫瘍にエタノールを注入してがん細胞を壊死 (えし) させる経皮的エタノール注入法、腫瘍をマイクロ波で壊死させる経皮的マイクロ波凝固療法やラジオ波で焼くラジオ波焼灼 (しゃく) 療法など。また抗がん剤や放射線による治療法もあります。
周囲の人のうわさをうのみにせずに、信頼している主治医とよく話し合いながら病状に合った治療法を選択されることをお勧めいたします。
東京慈恵会医科大学 糖尿病・代謝・内分泌内科 蔵田英明 |
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