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母親の相続分を増やしたい 江戸川区/45歳女性 |
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私の両親は協力して40年以上自営業をしてきましたが、先月父が急死。遺言書はなく、遺産としては、店舗兼自宅の土地建物と預貯金だけです。相続人は母と私と弟の3人です。私は母の老後の生活を考え、相続の放棄をして遺産全てを母に相続してもらいたいと思っています。しかし、弟は反対で、自分の相続分を主張して譲りません。私が放棄すれば母の相続分は増えるでしょうか。それともほかに母の相続分を増やす方法があるでしょうか。

あなたが相続放棄をすれば、あなたは初めから相続人ではなかったことになり、相続人はお母さんと弟さんの2人となります。お母さんの相続分は2分の1、弟さんの相続分も2分の1となり、お母さんの相続分はあなたの相続放棄によって影響はなく、増えることはありません。つまり、「誰かのために放棄する」という相続放棄は法律的に認められないのです。
そこで、考えられるのが、あなたの相続分は確保して、その相続分をお母さんに譲渡する方法です。こうすることによってあなたの相続分4分の1がお母さんに移り、お母さんの相続分は4分の3、弟さんは4分の1となります。
もう1つの方法は、3人で共同相続をして、遺産分割協議において、お母さんの取得分を4分の3、弟さんの取得分を4分の1、あなたの取得分をゼロとして、遺産分割協議書を作成すれば、お母さんの相続分を増やすことができます。
しかし、この方法には、弟さんの協力が必要で、弟さんが納得して署名押印しないと成立しません。もちろん、弟さんが署名押印に応じないときは、家庭裁判所に遺産分割の調停の申し立てをして、裁判所で話し合い、それでも解決できないときは審判で決めてもらうこともできます。
現実的ではないですが、遺産の分割をして、あなたが受け取ったものをお母さんに贈与する方法もあります。この方法は、金額によっては相続税を払い、さらに贈与税を払うことになります。
いずれにしても、弟さんが相続分の取得を主張している以上、遺産全部をお母さんに相続させることは困難といわざるを得ません。
仮に遺言書があっても、弟さんには遺留分が8分の1あるので、ゼロにはなりません。
弁護士 山下英幸
TEL:03-3508-0581 |
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