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連帯保証人の責任 練馬区/48歳男性 |
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私は友人に頼まれて、友人がマンションを借りる際に連帯保証人となりました。5年ほど前のことです。その後私に何の連絡もなく2回契約を更新していました。
さらに友人は半年前に死亡し、今は友人の妻が住んでいますが、家賃を滞納して通算で6カ月分たまっているとのことです。家主は突然、私にその全額を請求してきましたが、責任はあるのでしょうか。
結論から申し上げますと、特別の約束でもない限り、あなたには連帯保証人として6カ月分の滞納家賃について支払い義務があります。
まず、契約更新の点についてです。保証人となる時に「更新後は保証できない」とか「家賃の不払いがないときは更新後も保証する」というような契約でもない限り、保証人は責任を負うことになります。これは、契約期間(通常2年くらい)が満了後も友人がその部屋を継続して使用することは十分予想され、当然契約の更新ということは分かっていたはずと解釈されるからです。
契約の更新が家主と友人との間の合意でなされた場合と、そうではなく、期間の経過によって更新される、いわゆる法定更新の場合でも、同様に責任を負います。
次に、不払い家賃6カ月分について。賃貸借契約で家賃の不払いが2〜3カ月あったときは、家主が保証人に通知をする義務を負う旨の約束がされているなどの特段の事情でもない限り、6カ月分の賃料は継続的保証における予想の範囲内で、支払い義務は免れません。ただし、滞納期間が1年以上の場合は、家主の通知義務が問題となるでしょう。
最後に、あなたの友人が半年前に死亡し、現在は友人の妻が賃借人となってマンションを使用していて、家賃を滞納している点です。賃貸借の保証人は、賃借人の依頼に基づいて保証人となるのが一般的ですが、保証契約は、(賃借人ではなく)賃貸人と保証人との契約です。
ですから、賃借人が死亡し、相続人である妻が賃借人の地位を承継して賃借人となった場合でも変わりません。保証人に相続人の賃貸借契約上の債務についても責任が及び、賃貸借保証の終了事由とならないとするのが判例です。
また、滞納の6カ月分が相続開始の前であるか後であるかは関係がありません。
弁護士 山下英幸
TEL:03-3508-0581 |
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