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遺産相続が心配 荒川区/62歳男性 |
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将来のことで相談です。父は現在90歳、母は5年前に亡くなり、子どもは私と弟の2人です。私は家業である小売業を高校卒業と同時に手伝い、現在は責任者となって妻と2人で店舗も拡大して営業を続けております。弟は4年制の大学を出て、一流企業に就職しております。母や父の介護は私たち夫婦でしており、弟は盆・暮れに帰ってくる程度で、両親の介護は全くしていません。もし父の遺言が兄弟2人に半分ずつ相続させると書いてあった場合、私はとても納得できません。また、私1人に全部相続させるとあった場合には弟には何もあげなくてもよいのでしょうか。

あなたは高卒であるのに対し、弟さんは大卒で、その学費を父親が全部出していたとするならば、大学4年間に要した学費などの費用分は、特別受益として相続財産に加算され、加算分は弟さんの相続分から控除されます。
次にあなたが高校卒業後、家業である小売業を手伝い、給料ではなく小遣い程度の金銭しかもらっていなかった場合。小遣いや生活費を給料相当額から差し引いた差額、および店舗を拡大することによって、父親の相続財産が増加した場合は、その増加分は共に寄与分として、父の相続財産から控除し、その分をあなたの相続分に加えることになります。その金額は弟さんと協議して定めますが、話し合いで解決できないときは、家庭裁判所に定めてもらうことになります。
あなた方夫婦が両親を介護している点ですが、介護も療養看護に当たり、寄与分として評価されます。しかし、争いとなった場合は認められるのは容易ではありません。なぜなら親子間には扶養義務があって、同居して身の回りの世話をしたくらいなら扶養義務の範囲内とみなされるからです。
また、あなたの妻が介護した場合は、妻は相続人ではないので、原則として認められません。お父さんの入院費や治療費などをあなたが負担した場合は、その分お父さんの財産が減少しなかったのですから、寄与分となります。
なお、仮に遺言で財産全部をあなたに相続させるとあったとしても、遺留分という制度があって、子どもが相続人である場合は、相続財産の2分の1に相続人の相続分をかけた割合、つまり2分の1かける2分の1で、4分の1は弟さんの相続分として渡さなければなりません。
弁護士 山下英幸
TEL:03-3508-0581 |
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