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父の遺産分割協議中に相続人の母も死亡 豊島区/59歳男性 |
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昨年11月に父親が亡くなり、その遺産分割の話し合いが継続中の今年8月に母親も亡くなりました。このような場合、遺産分割協議書は2通作成する必要があるでしょうか。また、不動産の相続登記はどのようにすることになるのでしょうか。そのほか注意すべきことがあったら教えてください。私の兄弟姉妹は3人です。
父親の相続(第一次相続)について遺産分割未了の間に、母親の相続(第二次相続)が開始した、今回のような場合を数次相続といいます。
数次相続における遺産分割協議書は、2通作成する必要はなく、1通にまとめることができます。この場合当然のことですが、遺産分割の協議には第一次相続における相続人全員(母親は死亡しているので除きます)、および第二次相続の相続人全員の参加が必要です。あなたのケースでは、きょうだい3人の参加が絶対条件です。
まず、第一次被相続人である父親の相続で第二次被相続人の母親が取得する財産についてです。母親は、父親の相続の開始と同時に父親の遺産について相続分に応じた共有持分権を取得しており、これは母親の遺産を構成することになります。
次に相続登記手続きのことですが、登記は、現実の権利変動の過程をそのまま表示するのが原則です。したがって、数次相続の場合には、第一次相続で母親が不動産を取得したときは、その登記をし、第二次相続でその不動産を取得した相続人に順次所有権移転登記手続きを行うことになります。ただし、数次相続の場合には、相続人中の1人が数次にわたり単独で相続する場合に限り、1つの申請書で相続登記の申請をすることができます。
あなたの場合、父親の遺産分割前に配偶者である母親が死亡したのですから、相続税の配偶者税額軽減の適用が受けられるので、遺産分割協議書の条項に2段階の遺産分割をしたことを明確に記載することが必要となります。
弁護士 山下英幸
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