|
保証人の支払い義務 板橋区/48歳男性 |
|
|
私は友人がアパートを借りるとき、頼まれて保証人になりました。先日、友人が家賃の支払いを6カ月も怠っているとのことで、家主から私に請求がきました。今まで家主から友人が不払いであることの連絡は一度もありませんでした。私に支払う義務はあるのでしょうか。また、友人が死亡した場合、相続人に対し保証人となるのでしょうか。
質問では、単に保証人となることを頼まれて引き受けたとなっていますが、一般的には賃貸借契約における保証人は連帯保証人となっている場合が多いので、あなたの場合も連帯保証であると考えます。
それでは保証と連帯保証ではどう違うのか簡単に説明します。単なる保証の場合は、保証人は家主から賃料の支払い請求を受けたとき、家主に対し賃借人である友人に支払いの催告をするよう請求する権利(催告の抗弁権)と、それでも賃借人が支払わないときは、賃借人の財産から執行するよう請求する権利(検索の抗弁権)が認められています。
これに対し、連帯保証ではこのような権利が認められておらず、家主から賃料などの支払い請求があったときは、直ちにこれに応じて支払う必要があります。支払ったときは借り主である友人に支払った金額を求償することができます。
次に、友人が賃料の支払いを怠っているのに、家主から保証人に何の連絡もなく、いきなり6カ月分の賃料を請求してきた点です。何年も支払いを怠っていた場合は別ですが、6カ月分程度の不払いは、賃貸借のような継続的保証では予想の範囲内といえるので、特別な事情がない限り、保証人であるあなたに支払い義務があると解されます。
友人が賃料の支払いを怠っていて死亡した場合は、保証人であるあなたに支払い義務があるのは当然です。また、友人の相続人が賃借権を相続した場合も、相続人は友人の賃借人としての地位を承継したのですから、賃貸借保証は借り主の死亡では終了事由とはならず、保証人としての責任は免れません。
弁護士 山下英幸
TEL:03-3508-0581 |
| |
|