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家賃債務保証会社とは 三鷹市/70歳男性 |
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私は70歳になる男性です。今まで住んでいたアパートが建て替えのため、明け渡すことになりました。移転先のマンションを探したところ、適当な部屋が見つかったのですが、「家賃債務保証会社を付けないと貸せない」と言われました。この保証会社とはどういうもので、注意すべき点はありますか。
家賃債務保証会社とは、建物を借りる際に、建物賃借人から依頼を受けて、家主への家賃の支払いについて連帯保証人となる会社のことです。
近年、借り主が高齢者の場合に、家賃の支払いを確実にするため、保証会社を付けることを賃貸の条件としているケースが多くなってきています。保証会社を付けるためには、借り主と保証会社との間で家賃保証委託契約を結ぶことになります。ところが、この契約の内容が保証会社に一方的なものとなっていて、現在社会的にも問題となってきています。
保証契約の主たる内容は、借り主は保証会社に保証料として、(一般的には)家賃の半月分くらいを2年ごとに支払い、借り主が家賃の支払いを怠ったときは、借り主に代わって保証会社が家賃を支払い、後日借り主に請求するというものです。
問題点はいろいろとありますが、特に問題になるのは、自力救済条項といわれるものです。これは家賃滞納の場合には、借り主が貸室に入れなくするよう保証会社が適当な処置をとることを認める条項や、さらに貸室内にある動産を保証会社が運び出したり、処分することができる条項です。
裁判例によると、これらの条項はいずれも原則的には公序良俗違反として無効とされています。そこで、法律をつくって保証会社を登録制としたり、契約書の交付義務を定めたり、債権の不当な取り立て行為を禁止するなど、規制を図るため立法化が進んでいるとのことです。保証委託契約を結ぶときは、契約書の内容をよく確認することが必要です。
弁護士 山下英幸
TEL:03-3508-0581 |
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