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欠陥住宅を建てられた 足立区/50歳男性 |
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一戸建ての住宅を工務店に頼んで建ててもらいましたが、設計図との違いはないものの、さまざまな欠陥があります。外壁のタイルが波を打っていたり、内装についても建具にすき間があったり、また事前にサイズを知らせておいた家電製品が予定した場所に置けなかったり…。このような場合、瑕疵(かし)として工務店にやり直しや損害の請求ができるでしょうか。請求の方法も教えてください。
工事請負契約における瑕疵とは、工事の目的物が契約で定められた内容に反した性質や状態にあること、それから建物として通常有すべき性質や状態に欠けていることのいずれかに該当すれば瑕疵があるといえるでしょう。
もちろん建築費の面も無関係とはいえないでしょう。高い建築費なら設計図書(設計図および仕様書)も技術の高い設計士に正確かつ詳細な書面を作成してもらうことができる上に、材料や職人の技量などコスト面からも余裕のある工事が可能となるでしょう。
しかし、請負契約で定められていて、建物として通常有すべき内容や状態に反していれば、建築費の高い安いに関係なく、これは瑕疵として工事のやり直しや、それによって生じた損害の賠償請求ができます。注意すべきは、設計図書によらずに口頭で約束した場合。後になって「言った、言わない」の争いとなり、水掛け論となる恐れがあります。設計図書によらない約束は必ず書面にしておくことが重要です。
次に損害の請求については、当然のことですが、まず当事者間でよく話し合うことが第一だと思います。当事者で解決できないときには、裁判所以外の公的機関である、例えば建設工事紛争審査会や弁護士会のあっせん・仲裁という制度を利用することも可能です。これらの場合は話し合いによる解決ですが、一度決めてしまうと(不服があっても)不服の申し立てをすることはできません。
裁判所における解決方法としては、調停と訴訟があります。調停は話し合いによる解決ですが、裁判所以外の場合と同様に不服の申し立てはできません。訴訟は当事者の主張と立証を基に裁判官が判断して判決を出します。この判決には控訴、上告といった不服の申し立ては可能です。訴訟でも和解といって話し合いによる解決もできます。
弁護士 山下英幸
TEL:03-3508-0581 |
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