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パートの割増賃金 小平市/56歳女性 |
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わたしは、ある食品会社でパートタイム労働者として週4日午前11時から午後5時までの約束で働いております。ところが、忙しい時には残業をしたり、社長から頼まれて休日にも出勤します。でも給与明細を見ると、残業や休日出勤の場合の賃金が割り増しになっていません。パートでは割増賃金はもらえないのですか。
労働時間については、労働基準法という法律があって、(雇用者は)原則として休憩時間を除いて1日8時間、1週間で40時間を超えて働かせることはできないと定められています。しかし、労働組合があって、その組合との間で時間外労働について協定があるときは、労働時間の延長や、休日に労働させることができます。そして、この場合には、通常の労働時間または労働日の賃金の2割5分以上5割以下の範囲で割増賃金を支払わなければならないとされています。
あなたの場合は1日6時間労働ですから、この時間を超えても実労8時間を超えなければ時間外労働とならないので、働いた時間分賃金を払えばよいわけです。したがって割増賃金を加算して支払う必要はないのです。
例えば、1日の労働時間が実労9時間となった場合には、8時間を超えた1時間については割り増し分を加算して払わなければなりません。次に、休日に関する労働基準法の規定は、パートの場合でも適用されます。労働基準法は、休日について1日の労働時間の長短は関係なく、1週間で1日または4週間で4日以上の休日を与えなければならないとしています。休日に働いたときは割増賃金を支払うことになります。
あなたの場合は週4日の約束ですから、残り3日のうち1日は法定休日となるので、2日は社長の求めで働いても違法とはなりません。割増賃金の約束がない限り、割増賃金の請求はできません。
弁護士 山下英幸
TEL:03-3508-0581 |
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