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貸金返済請求の方法 あきる野市/58歳男性 |
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わたしは2年半ほど前に商売をしている友人から「受取手形が不渡りとなり資金繰りが苦しくなった。助けてほしい」と言われ、100万円を貸しました。友人の商売は立ち直り、今は順調に続けていますが、何回か貸金を返すように請求しても返してくれないばかりか、最近では電話に出てくれません。貸金返済請求の方法を教えてください。なお、簡単な借用証は受け取っています。
返済請求をしているとのことですが、まだ電話などの口頭だけでしたら、内容証明郵便で期限を定めて催告し、もし期限内に返済しないときは法的手続きをとる旨伝えると、意外と効果があります。
次に裁判以外の方法として、弁護士会の紛争解決センターにあっせんの申し立てをするのも、費用が安いうえ手続きが早いです。しかしこの場合は強制力がありません。もうひとつの方法として、簡易裁判所に申し立てをする調停制度があります。調停は、調停委員2人が仲介して、当事者双方が互譲の精神に基づいて話し合いによって実情に即した解決をする方法です。調停で決まったことは調書に残し、判決と同じ強制力を持ちます。
次に裁判による方法としては、少額訴訟制度や督促手続き、通常の民事訴訟があります。少額訴訟制度というのは、少額訴訟に関する特則に基づいて、金額が60万円以下の金銭に関する紛争について、簡易裁判所で安い費用で迅速かつ効果的に解決を図る制度です。しかし、あなたの場合は貸金が100万円ですから、この制度を利用することはできません。
督促手続きというのは、以前は支払い命令といわれていたもので、判決にかわり簡易、迅速に解決する手続きです。その特徴は、相手の言い分を聞かずに「申し立て通りの金額を支払え」という督促を出すことです。
ただ、請求金額が140万円以下であることと、支払い督促が出て、それを受け取ったときから30日以内に仮執行宣言の申し立てをしないと、その効力を失います。また、相手方から支払い督促に異議の申し立てがあった場合は訴訟に移行します。
通常訴訟は、請求金額が140万円以下のときは簡易裁判所、それを超えるときは地方裁判所に訴状を提出することによって開始する裁判のことです。
弁護士 山下英幸
TEL:03-3508-0581 |
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