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夫が無断でした借金 別れた時どうなる? 北区/60歳女性 |
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夫が妻子に無断で借りた借金 (連帯保証人など) は、離婚後、または夫の死別後でも妻子の借金となるのでしょうか。そのような場合、何か対策や解決の方法はないでしょうか。
質問の内容がはっきりしないのですが、夫が妻や子どもを本人の承諾を得ることなく連帯保証人にしてお金を借りた場合だとするならば、この連帯保証契約は本人の意思に基づかない無効なものです。妻子には責任はありません。お金を貸した業者に対して「連帯保証を承諾したことはないから無効である」と伝えるのが良いでしょう。それでも妻子に返済を要求してくるときは、債務不存在確認の訴えを裁判所に提起するしかありません。
次に、夫の借金でも、その用途が生活費など日常の家事に関する場合は、妻も連帯して責任を負うことになります。夫が事業や遊びに使った場合は、妻には責任はなく、離婚後も責任を負うことはありません。
夫と死別した場合は、相続の問題が発生します。妻であるあなたと子どもは法定相続人として夫の財産全部を相続します。借金も相続財産の一部として相続されて、返済の責任を負います。
しかし相続の放棄という制度があって、相続の開始があったことを知った時から3カ月以内に夫の住所地の家庭裁判所に相続放棄の申述書を提出すれば、夫の借金を相続せずにすみます。この場合はほかの財産もすべて相続できなくなるので注意が必要です。
借金などのマイナスの財産と不動産、預貯金などのプラスの財産のどちらが多いか分からないようなときは、3カ月以内に家庭裁判所に限定承認をする旨の申述をすることができます。なお、限定承認は共同相続人全員が共同ですることが必要です。
弁護士 山下英幸
TEL:03-3508-0581 |
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