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年金分割制度とは? 三鷹市/55歳女性 |
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夫が年金をもらえるようになってから離婚すると、新しい制度でその半分を妻がもらえるようになると聞きましたが、その通りでしょうか。また、そのためには何か手続きをする必要があるのでしょうか。
年金分割制度について、夫が受け取る年金の半分を離婚した妻がもらえるものと思っている人がいるようですが、それは正確ではありません。
年金分割制度というのは、離婚した配偶者の一方である夫または妻、あるいはその両方が支払ってきた厚生年金、共済年金の報酬比例部分(基礎年金にプラスされている部分)の年金を、夫婦の一方が加入している場合はその金額を、両方が加入している場合はその合計金額を分割することです。
分割された年金は、夫と妻の年金として書き換えられ、離婚後各人が年金受給年齢になったときに、自分の年金として受給することができるのです。ですから、配偶者の一方がもらえる年金の半額がもらえるというのは誤りです。
さらに年金を分割して受け取るには、次のような要件が必要とされます。(1)時期については、平成19年4月1日以降に成立した離婚であること。(2) 分割の割合は最大で2分の1まで(夫婦間の合意があっても2分の1以上は認められません)。(3)分割の方法は、夫婦間の合意によって定める必要があります。合意が成立しないときは、家庭裁判所で決めてもらうことになります。(4)分割の対象となるのは、結婚してから離婚するまでの期間(結婚前の分は対象となりません)。(5)共稼ぎの場合は、合算した年金額の2分の1までとなります。(6)手続きとして離婚成立後2年以内に必要書類を添えて社会保険事務所に届ける必要があります。なお、内縁関係の場合は原則として適用されません。
そのほか詳しいことや、具体的な金額を知りたいときは、戸籍謄本と身分証明書(運転免許証、健康保険証など)を持って住所地の社会保険事務所に行くと教えてくれます。
弁護士 山下英幸
TEL:03-3508-0581 |
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