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恵比寿丼。旬の食材を使用するため時季により具材が多少異なることも |
東京から東北新幹線で約2時間50分。青森県八戸市は、同県内でも東京からのアクセスがいい観光地だ。天然の芝生や穏やかな砂浜が広がる、美しい景勝地・種差(たねさし)海岸(三陸復興国立公園)や、国宝「合掌土偶」を展示する是川縄文館など、一度は訪ねたい場所が数多く点在する。一方、日本有数のイカの水揚げを誇る同市は、“美味の街”としても名高い。今回は新たな名物丼や酒蔵など八戸のグルメ・トピックを紹介しよう。
海鮮の新名物「恵比寿丼」
八戸でまず外せないのが海鮮。イカやヒラメなど海の幸を味わいたい。「寿司と新郷土料理 俵屋」(Tel.0178・51・6767、月曜日定休)を営む沢上弘さん(72)は、この道約50年のベテランすし職人。地元の海の幸を味わってもらいたいと考案した「八戸銀サバトロづけ丼」が「全国ご当地どんぶり選手権」で2016年、17年と2年連続グランプリを受賞するなど、八戸の食を全国区にした立役者だ。
そんな沢上さんが新しく開発した自信作が「八戸煮物海鮮 恵比寿丼」(2750円)だ。酢飯の上にアナゴやホタテ、タコ、イカなど主に近海で取れた食材がたっぷりと乗った“海鮮煮物丼”。「タコは入念な下処理の上、約3時間煮て軟らかく調理するなど、各食材のおいしさを引き出すためにひと手間かけた丼です。“火の通った海鮮”なので生ものが苦手な人にもおいしく食べていただけると思います」と沢上さん。
ひとくち頬張ると、プリっとしたエビや軟らかいタコなど、それぞれの素材を生かした食感と豊かなうま味が楽しめる。各素材に合った調理加減はまさに“職人の技”だ。

「おかげさん」のイカゴロ鉄板焼。イカのうま味とわたのコクが絶品で、お酒がすすむ |
横丁入り組む“飲兵衛の迷宮”
ちょっと一杯…という向きには、レトロな横丁街がおすすめ。八戸市では戦後、戦地からの引き揚げ者のためのマーケットなどが開設され横丁に発展した歴史があるという。現在では、みろく横丁やハーモニカ横町、たぬき小路など8つの横丁が入り乱れ“飲兵衛の迷宮”を形成している。
口一丁れんさ街の「おかげさん」(Tel.0178・45・0415、午後5時半〜11時)はそんな横丁の人気店。小粋なおかみさんが切り盛りする同店では、郷土料理「八戸せんべい汁」(850円)はもちろん、「イカゴロ鉄板焼」(1700円)など絶品メニューが豊富だ。同店でおなかいっぱいになった後は、横丁でも古参の名物バー「洋酒喫茶プリンス」(Tel.0178・44・1827、午後5時〜午前0時)で八戸カクテル(500円)を頂くのもいい。横丁のレトロな通りをブラブラと“はしご”するのも八戸の夜のだいご味だ。

レトロな雰囲気の八戸酒造(株)。品種の販売や試飲コーナーもある |
有形文化財の酒蔵見学
八戸の酒といえば、八戸酒造(株)(Tel.0178・33・1171)の「陸奥八仙」が全国の日本酒ファンに知られている。フレッシュ、フルーティーな味が軸の「八仙」シリーズが人気で、世界酒蔵ランキングで第1位(2021年)に輝くなど海外からも注目されている。専務取締役の駒井秀介さん(46)は「お米のうま味を大事にしながらも華やかに香るバランスの取れたお酒を目指しています」と話す。また、同酒造は、国の有形文化財に登録されており、建物も一見の価値あり。地域に根差した酒蔵として、酒蔵見学(試飲付き500円。約40分。午前10時〜午後4時)も行っているほか、蔵まつりなどのイベントも開催している。

「チョコQ助」(1袋270円) |
その他のおすすめ情報
売り切れ続出の大人気菓子「チョコQ助」
創作南部せんべいを販売する(有)しんぼり(Tel.0178・20・5439)が、2020年に開発した「チョコQ助」(1袋270円)。砕いた南部せんべいにチョコレートをかけた菓子で「チョコの甘さとせんべいのしょっぱさが絶妙」と大人気に。発売するたびにすぐに売り切れるため、同社工場に「チョコQ助」専用の自動販売機を5台設置している。
館鼻岸壁朝市
毎週日曜の日の出から午前9時ごろまで開催。魚介や野菜、総菜、ラーメン、コーヒーなど300店以上が約800メートルにわたって立ち並ぶ、日本最大級の朝市。毎週数万人が訪れるという。湊日曜朝市会事務局 Tel.070・2004・6524
八食センター
新鮮な魚介、ブランド肉、地物野菜、銘酒、銘菓など約60店が並ぶ“食のテーマパーク”。お土産選びにも最適。Tel.0178・28・9311 |
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◆ 八戸観光全般の問い合わせ ◆
一般財団法人VISITはちのへ Tel.0178・70・1110 |
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