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森の手入れやカヌー体験…“水の里”でウオーターツーリズム 群馬/みなかみ町 |
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釜のふたを取ると炊き立てごはんのおいしそうな香りが立ちのぼる |
みなかみ町は群馬県北部に位置する。谷川岳(標高1977メートル)や三国山(同1636メートル)などの山々に囲まれ、水上温泉、宝川温泉など18カ所に湯が湧く。さらに関東平野を潤す利根川源流の地で、首都圏の水瓶(みずがめ)として7つのダム湖が点在。“水上(みなかみ)”の名の通り豊かな水の里だ。このみなかみ町で今日的なテーマのSDGs(持続可能な開発目標)の理念に沿った「ウオーターツーリズム」が進められている。森の手入れや源流の湖でのカヌー体験など全体で11のプログラムがあり、水と森を実感できるプランがそろう。そのいくつかを名湯と併せ紹介しよう。
今回は「水を育む森づくり—森の手入れとリトリート体験」、「谷川岳湧水で炊き上げる絶品おにぎり」、「自然の色からつくる草木染手ぬぐい」の3つのプログラムにトライした。
まず、「水を育む森づくり〜」(1人7500円)。体験の場所は上越新幹線の上毛高原駅から車で約40分の藤原地区の上の原。利根川の上流で、近くに上の原温泉や藤原スキー場などがある。プランは「入会の森」と呼ぶミズナラの林を中心に行われる。企画し、案内する柳沼翔子さん(38)は、「森林浴を楽しみ、森を育むための間伐など行い、併せて非日常の環境の中で自身を見つめ直し心身を癒やすことを目的にしています」と言う。まず、ミズナラの林へ。「昔はここで炭焼きが盛んに行われていました」と柳沼さん。途中、森で育まれた水が湧く「柞(ははそ)の泉」などに立ち寄り、みなかみ町産の米から作られた特製のランチを楽しんだ後、のこぎりによる間伐体験をし、最後にたき火を囲みながら歓談。全体で4〜5時間ほど。参加者からは「日頃のストレスから解放された」、「今の仕事を辞めずに続ける元気が湧いた」などの声が寄せられている。
湧水で炊いた米で絶品おにぎり
おいしい水はおいしい米を作る。「谷川岳湧水で炊き上げる絶品おにぎり」(1人2500円)のプランは、人気のおにぎりづくり。JR水上駅から徒歩3、4分のブックカフェ「Walk On Water」内の「futamimi」で楽しめる。
谷川連峰の湧水で育つブランド米“水月夜(みなつきよ)”を昔ながらの底が丸い釜で炊く。卓上のガスコンロに乗せ、沸騰してから弱火で8分、火を止めて10分ほど蒸らし、ふたを取ると香ばしい炊き立てのごはんの香りが鼻孔をくすぐる。早速食べてみると実においしい。「ごはんだけ食べて『こんなにおいしいお米は初めて』とおっしゃる人が多いですね」と店主の澁澤美香さん(38)は話す。同店ではこのほか、同じ米と米麹(こうじ)のみで作った、とろけるように甘い甘酒などもある。 |
女性に人気の「カスてラ可助」のカステラ |
染め物体験やスイーツも
futamimiから利根川沿いを下った景勝地「諏訪峡」の近くにスイーツ店、チーズタルトが人気の「ジャック・ザ・タルトファンタジー」とカステラの「カスてラ可助」がある。2つの店とも女性に人気で、お土産に求める人でにぎわっている。
「自然の色からつくる草木染〜」(1人1500円)は、カスてラ可助から車で約40分の道の駅「たくみの里」内にある「草木屋 染の家」で染める。白い手ぬぐい生地を三角形に折り畳み、3つの角や縁を藍液に徐々に入れて染め、染め終わったら水で洗う。すると、雪の結晶に似た白い雪花が藍一色に映える“マイ手ぬぐい”が完成する。
たくみの里は新潟と群馬を結ぶ三国街道の旧須川宿にあり、宿場町の風情残る里に陶芸やガラス細工など28軒の工房や店が立つ。
湯船の底から源泉100%の湯が湧き出ている「法師乃湯」 |
趣ある「法師之湯」
たくみの里から車で約20分、山あいに一軒宿の「法師温泉長壽館」が立つ。1875(明治8)年の創業。太い4本のヒノキの梁(はり)と浴室の半円形の窓が印象的な同館大浴場「法師乃湯」は情緒あふれる温泉。クリ材の湯船が4つあり、湯船の底から源泉が湧き出ている。ボコボコッと湧き出す湯の音を耳にしながら入る温泉は、身も心も癒やされるひとときだ。 |
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◆ 観光の問い合わせ ◆
みなかみ町観光協会 Tel.0278・62・0401 |
◆ 交通の案内 ◆
JR上越新幹線上毛高原駅で下車。車は関越道水上ICを利用。 |
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