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冬季に結氷した松原湖。白銀の八ケ岳を望み、氷上でワカサギ釣りが楽しめる |
松原湖氷上でワカサギ釣り
山梨県との境をなす八ケ岳の北東麓に長野県小海町があり、その中心に松原湖がある。カラマツなどの森に包まれ、白銀に輝く八ケ岳の山々を望んで静かに広がる。厳冬期に入る1月上旬からは湖面が結氷し、風物詩となっている“松原湖氷上ワカサギ釣り”も始まった。湖から高原へ向かえば3月にリニューアルオープン予定の日帰り温泉や雄大なスキー場、あるいは地元の素材を生かしたスイーツの店も点在。豊かな自然とおいしいスイーツで心身を癒やしたい。
高原列車の愛称で親しまれているJR小海線の小海駅で下車。ここからバスで15分、または車で10分ほどで松原湖に着く。湖畔の遊歩道沿いには松原諏方(すわ)神社の上社と下社が祭られ、上社境内に武田信玄の曽祖父ゆかりの「野ざらしの鐘」と呼ばれる、県内最古で国の重要文化財指定の鐘が安置されている。また、小海町町営のワークスペースの施設も立つ。白い壁が湖面に映える“憩うまち こうみ”をテーマにしたオフィス内にはデスクと椅子が設置され、広々とした窓から松原湖が一望。爽やかな環境を生かして現在、町と協定を結んだ主に首都圏の企業の研修やリモートワークなどに利用されている。ワークの合間にグリーンシーズンにはヨガや森林浴などを、今の時季は目の前の湖上で氷上ワカサギ釣りを楽しむグループが多いという。
ワカサギ釣りは氷の厚さが30〜40センチになると可能で、今年は2月末まで楽しめる予定だ。釣りざお、えさ、テント、ストーブなど器具一式は湖畔の民宿などで借りられ(おおむね5000円ほど)、釣ったワカサギも宿で天ぷらなどにしてくれる。釣れるタイミングは早朝なので、スタートの午前6時半から始めるのがおすすめ。「週末などは1日に300人ほど来ます。家族連れも多く、氷上で遊ぶ感覚で楽しんでいます」と小海町観光係の黒澤大輔係長(41)は言う。
スキー場や日帰り温泉も
雄大な風景が広がるシャトレーゼスキーバレー小海 |
松原湖から車で5分ほど行くと3月11日(土)にリニューアルオープンする予定の日帰り入浴施設「八峰(ヤッホー)の湯」(大人700円)が立つ。源泉掛け流しの内湯や露天風呂が自慢。露天風呂からは赤岳、横岳、硫黄岳など八ケ岳を構成する山々が一望。
八峰の湯と道一つ挟んで、シラカバ林の間にコテージなどが点在する松原高原別荘地がある。一般の別荘のほか、貸し別荘6棟と貸しコテージ10棟があり、家族連れや最近では「ワーケーション」(ワークとバケーションを合わせた造語)による1人ないし2人といった少人数の利用も多い。「静寂に包まれた森の中で仕事し、余暇を楽しむ人が増えてきましたね」と同施設の井上晴正さん(61)。
ここからシラカバ林などを抜け、車で5分も上るとスキーなどが楽しめる「シャトレーゼスキーバレー小海」が広がる。面積が約28ヘクタールあり、標高1780メートル〜1400メートルの斜面に8つのコースが延びる。隣接してホテルの「ガトーキングダム小海」が立つ。
シラカバのシロップが入ったヤツドキテラス小海のバウムクーヘン |
シラカバ樹液のバウムクーヘン
同ホテルから再び松原湖方面に戻ればスイーツの「ヤツドキテラス小海」がある。八峰の湯と松原湖の途中にあって、バウムクーヘンが人気の店。スイーツ大手のシャトレーゼの新しいブランド店で、2021年8月にオープン。工場を併設し、ガラス越しにバウムクーヘンの製造工程も見られ、若い女性層や家族連れなどに人気。中でも八ケ岳山麓のシラカバの樹液のシロップが入ったバウムクーヘンはまろやかな味わいで人気ナンバーワン。
スイーツではもう1軒、松原湖から国道141号線へ出る手前のこぢんまりとした店「たかちゃん・ふぁーむShop&Cafe」も人気。こちらは、県内の小布施栗などを使用したモンブランがおいしい。 |
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◆ 問い合わせ ◆
小海町役場観光係 Tel.0267・92・2511
◆ 交通 ◆
JR小海線小海駅下車。車は中部横断自動車道八千穂高原IC利用。 |
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