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坂本龍馬・お龍 “日本初の新婚旅行”の地 鹿児島県/霧島市 |
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塩浸温泉龍馬公園の敷地内に立つ等身大の龍馬とお龍の銅像。当時の2人をしのばせる |
“日本初の新婚旅行”といわれるのが150年余り前に幕末の志士、坂本龍馬が妻・お龍を伴った83日間に及ぶ薩摩(鹿児島県)への旅。期間中、龍馬は現在の霧島市(鹿児島県)に湧く温泉宿に26日間滞在したといわれ、京都・伏見の寺田屋事件で受けた刀傷を癒やすため温泉につかっている。そんな霧島市には現在も市内4カ所に温泉郷があり、高千穂峰などの豊かな自然が人々を癒やしてくれる。龍馬が訪れた当時の風景が今も残る霧島市を訪ねた。
“縁結びの湯”塩浸温泉、龍馬も絶賛「犬飼滝」
霧島市の資料によると、龍馬が薩摩を訪れたのは1866(慶応2)年4月24日。薩摩藩の重臣、小松帯刀や西郷隆盛らの招きに応じてのことだったという。寺田屋で襲撃された後、大阪から薩摩の船「三邦丸」に乗り、海路、鹿児島へ入っている。
薩摩を訪れたのは寺田屋で負った刀傷を温泉で治療するためで、中でも霧島の塩浸(しおひたし)温泉には18泊したと伝わっている。龍馬とお龍が訪れたことで今では“縁結びの湯”と呼ばれるようになった同温泉は妙見・安楽温泉郷の中にあり、龍馬がつかったといわれる露天風呂跡が今も残っている。
その塩浸温泉から龍馬が足を延ばして訪ねたのが犬飼滝(いぬかいだき)だ。
「21世紀に残したい新かごしま百景」の1位に選ばれたという犬飼滝。高さ36メートル、幅22メートルの豪快な景色は今も見る人を爽快な気分にさせる |
姉の乙女に宛てた手紙で、龍馬は「陰見(いんけん)の滝=犬飼滝のこと=は50間(約100メートル)も落ちて、中ほどには少しもさわりなし。げにこの世のほかと思われ候ほどめずらしきところなり」と絶賛。今も道路脇にある駐車場から中津川へ下っていくと、滝壺(つぼ)へと豪快に流れ落ちる犬飼滝が間近に見られる。
犬飼滝の後方には、天上界から神が地上に降り立った天孫降臨の山と伝わる高千穂峰が望める。
龍馬は犬飼滝周辺で魚釣りや鳥撃ちなどをして遊び、足を延ばして高千穂峰に登るなど、その生涯で最も楽しい日々を過ごしたという。霧島で湯治した後、龍馬は鹿児島城下(鹿児島市)へ移り、約50日間滞在して「桜島丸」で鹿児島を後にしている。
霧島神宮 |
霧島神宮は「天孫」祭る
天孫降臨の地として地名や伝説が数多く残る霧島市。中でも、6世紀創建と伝えられる霧島神宮は市内随一のパワースポットだ。ニニギノミコト以下7柱の神様が祭られ、1989(平成元)年に本殿と拝殿、登廊下、勅使殿などが国の重要文化財に指定された。
推定樹齢800年、樹高35メートルの御神木の大杉には、烏帽子(えぼし)をかぶり、手を合わせる神職の姿のように見える木の枝のこぶがある。龍馬はお龍と共に霧島神宮に参拝に訪れた際に、この御神木をじっくり眺めていたと伝わる。
飲食のおすすめスポット「バレルバレー・プラハ&GEN」
「バレルバレー・プラハ&GEN」は、鹿児島空港に隣接した麹(こうじ)のテーマパーク。焼酎やみそ、甘酒などを造る際に必要な種麹の製造、販売で全国シェア80%を持つ(株)河内源一郎商店の関連施設だ。醸造や発酵食品に使われている麹の役割を説明したパネル展示のほか、同施設内のレストランでは麹入りのエサで育てられたご当地豚や魚など、麹尽くしの料理が食べられる。また、焼酎や甘酒、さらに本格的なチェコビール、クラフトビール「霧島高原ビール」も飲める。最近、話題になっているのは霧島産茶葉に麹菌を生やしたサプリメント「麹の力 茶麹」。「元気なものを食べると人間も元気になれます」とバレルバレー・プラハ&GENの山元紀子さん(63)は話す。 |
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