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広大な北海道にふさわしく、天に向かってそびえる「真鍋庭園」の樹木 |
北海道の十勝エリアから旭川まで約250キロに及ぶ街道沿いには、人気の美しいガーデン(観光庭園)が点在する。どこかヨーロッパの田園を思わせる風景が広がる“北海道ガーデン街道”だ。季節の花々が彩り、北国特有の針葉樹が天に向かって伸び、それらの花や緑を眺めながら取る食事も人気だ。
紫竹ガーデン
朝一番に訪れたのは、とかち帯広空港から車で約25分の「紫竹(しちく)ガーデン」(大人800円)。1万5000坪の農地に約2500種の花が咲く。同ガーデンは紫竹昭葉(しちく・あきよ)さん(92)が1989年に、「子どものころ見た草花が一面に広がる十勝の大地を再現したい」という思いからスタートした。
その言葉通り、春はチューリップ、初夏はスズラン、秋にはダリアなど季節の花々が赤、黄、紫などカラフルに咲く。ガーデンをよく眺められるよう窓を広くとったレストラン「フラワーハーツ」では午前8時半から10時まで朝食セット「お花畑で朝食を」が食べられる。同セットはジャガイモ、カボチャ、大豆など地元産の素材をふんだんに使った料理が並び、ビュッフェ形式で楽しめる。料金は1944円(要予約)。
真鍋庭園
「紫竹ガーデン」から車で20分ほど移動して「真鍋庭園」へ着く。
同庭園は花ではなく樹木、それも針葉樹を中心とした北国の木々を観賞する庭園だ。エゾマツなどの樹木を植栽しており、北国のロマンが薫る。2万4000坪の広大な敷地は風景式庭園、日本庭園、ヨーロッパガーデンなど6つのエリアに分けられ、回遊できる遊歩道で各エリアがつながっている(大人800円)。
まるでメルヘンのような花の世界が広がる「上野ファーム」 |
上野ファーム
十勝地方から北へ150キロほど、“北海道のヘソ”といわれる富良野を経て美瑛(びえい)町に入る。雄大な風景が起伏に富んだ畑とともに広がる美瑛町。その隣、旭川市のJR旭川駅から車で40分行くと、丘陵の麓に「上野ファーム」(大人800円)がある。ここは英国の庭造りをベースにした庭園で、色鮮やかな花々が咲き、気品があってロマンチックな、変化に富んだ風景をつくりだしている。
もともとはコメ農家の主婦、上野悦子さん(70)があぜ道に花を植えたところ、コメを買いに来る客に喜ばれたことがきっかけ。現在「マザーズガーデン」と呼ばれる一帯にハーブやカンパニュラなどを植え、2001年にオープンした。後に娘のガーデンデザイナー、上野砂由紀さん(44)も加わって北国ならではの本格的なガーデン造りを展開している。樹木と花々が一体となった「ノーム(妖精)の庭」、シラカバ林の中を行く「白樺の小道」など4000坪の敷地を10のゾーンに分けて、季節の花が楽しめる。ガーデンの一隅に立つ、かつての納屋を改造した「ナヤカフェ」は通年営業で、野菜たっぷりの「ガーデン風タコスミートライス」(1050円)などが楽しめる。 |
びえい白金温泉周辺には、白ひげの滝から落下するコバルトブルーの水をたたえる「白金青い池」がある |
びえい白金温泉
JR美瑛駅前からバスで約30分、十勝岳の麓に「びえい白金(しろがね)温泉」がある。“ブルーリバー”の愛称を持つ美瑛川に沿って4軒の宿。1950年に湧出し、時の町長が「地底から湧き出たプラチナ(白金)のように尊い湯」と語ったことからこの名がある。やや褐色の湯は体の芯まで温める。 |
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◆ アクセス ◆
羽田空港から空路、とかち帯広空港へ1時間35分。各ガーデン巡りは車の利用が便利。 |
◆ 観光の問い合わせ ◆
どさんこ旅サロン Tel.03・6206・3163 |
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