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日本最長の「ジップライン」誕生 長野県/野沢温泉村 |
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谷を渡るジップ・スカイライド。
足元の白い斜面はサマーゲレンデ |
温泉とスキーで知られる長野県の野沢温泉村に7月、日本で最長を誇るジップラインがお目見えした。2つの地点をワイヤーで結び、滑車を滑らせて“空中滑走”する、新しいアクティビティーだ。爽快感あふれる体験の後は名湯につかり、心身を癒やしたい。
鳥の目線で“空中滑走”
長野県の北部にある野沢温泉村。西に千曲川が流れ、東に標高1650メートルの毛無山がそびえる。その間の緩やかな斜面に集落が広がる。
ジップラインは、野沢温泉村では、「ジップ・スカイライド」と名付けられ、温泉街から徒歩と「遊ロード」と呼ばれるエスカレーターで15分ほど行った野沢温泉スポーツ公園内に設置されている。ワイヤーは全長652メートルと日本一長く、ダイナミックな滑空が楽しめると人気を呼んでいる。
スタート地点は標高794メートルで、こちらも日本一の高さ。ゴール地点の同672メートルまで、日本一の標高差122メートルを平均時速60キロ、最大70キロのスピードで滑空する。ワイヤーにかけられた滑車の下には布製のベルトで作られたシートが付けられ、ここに座って滑空するが、一気に斜面を下るのではなく、中間地点からは緩やかに傾斜しながらゴールするから、恐怖感は少ない。インストラクターのカウントでスタートすると周囲の山々や、その上に広がる青い空が目に飛び込んでくる。前方には新潟県境にそびえる妙高山(2454メートル)も見える。まるで鳥になったような爽快さ、未知の体験に心躍る。時間にしておよそ50秒の空中散歩だった。料金は大人2000円、中学生以下1200円。要予約(野沢温泉スポーツ公園 Tel.0269・85・2623)。
ジップ・スカイライドの下には、やはり7月に開設した、本格的なスキーがいつもできる全長500メートルのサマーゲレンデやそりゲレンデ、トランポリンなどがあるナスキーパークもある。野沢温泉スポーツ公園の河野智春社長(59)は「自然の中で大人から幼児まで3世代が楽しめる公園を目指しています。たっぷり遊んだ後は温泉でくつろいでいただきたい」と言う。 |
野沢温泉の外湯(共同湯)の一つ、大湯。源泉掛け流しの温泉があふれ、江戸時代の湯屋造りの風情を伝えている |
名湯につかり「老化防止を」
野沢温泉は毎分1550リットルほど湧出し、源泉数は30以上と豊富だ。泉質はアルカリ性の単純硫黄泉が主体。
野沢温泉が名湯といわれるゆえんを野沢温泉観光協会の森行成(ゆきしげ)会長(75)に尋ねると、「泉質もさることながら、その還元性の高さにあります」と強調する。「還元性が高い温泉ということは入浴することで身体の酸化を抑え、アンチエージング、つまり老化防止に役立つのです」と言う。これは法政大学の大河内正一教授による調査、分析によって裏付けられたもの。入浴後に肌がつるつるしたり、張りを実感するのはこの還元性が高いためという。
野沢温泉のもう一つの特色は、外湯と呼ばれる共同湯が13カ所点在し、観光客にも無料で開放していることだ。日本一の規模を誇るジップラインで空中を走り、名湯につかる。野沢温泉村を訪ねれば身も心も若返るようだ。 |
◆ アクセス ◆
北陸新幹線飯山駅下車。野沢温泉ライナーバスで約25分、野沢温泉下車。車は上信越道豊田飯山IC利用。
◆ 観光の問い合わせ ◆
野沢温泉観光協会 Tel.0269・85・3155 |
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